米軍特殊部隊兵、機密情報で40万ドル超の利益獲得か
米ニューヨーク連邦検察は10月9日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領逮捕作戦に関わった米陸軍特殊部隊兵ガノン・ケン・ヴァンダイク容疑者(38歳)を、機密情報を不正利用して暗号予測市場で40万ドル超の利益を得たとして起訴した。
起訴内容と容疑の詳細
検察によると、ヴァンダイク容疑者は2025年12月8日から1か月間にわたり、マドゥロ大統領の逮捕作戦の計画・実行に関与。機密保持契約に署名していたにもかかわらず、この機密情報を利用して暗号予測市場「Polymarket」で一連の賭けを行ったという。
具体的には、2026年1月31日までにマドゥロが権力の座から退く可能性に関する賭けに参加。2025年12月30日から2026年1月2日にかけて、主に1月2日の夜に集中的に賭けを実行した。このうち3件のベネズエラ関連の契約でも5,000ドル以上の利益を得たとされる。
検察はヴァンダイク容疑者を、政府機密情報の不正使用、非公開政府情報の窃盗、商品詐欺、電信詐欺、違法な金融取引の5つの罪で起訴。長期の禁固刑に直面する可能性がある。
FBI・CFTCも並行して告発
FBIのカッシュ・パテル長官はソーシャルメディアで「正当な軍事作戦を私利のために悪用した米軍兵士の行為は許されない」と非難した。
また、商品先物取引委員会(CFTC)も並行してヴァンダイク容疑者を告発。同委員会によると、容疑者は2025年12月26日に個人口座から35,000ドルを暗号通貨取引所に移し、このうち32,500ドル以上をマドゥロの権力喪失に関する賭けに充てたという。
CFTCのマイケル・セリグ委員長は「機密情報を預託された立場でありながら、米国の国家安全保障を危険にさらし、米軍人の命を危険にさらした」と非難した。
Polymarketも機密情報取引を認識し通報
暗号予測市場大手のPolymarketは、政府機密情報を用いた取引を発見し、司法省に通報したことを明らかにした。同社は声明で「Polymarketにインサイダー取引は存在しない」と強調している。
現在、ヴァンダイク容疑者の弁護士は公判記録に記載されておらず、公開されている電話番号も使用不能となっている。
事件の経緯と影響
2026年1月3日未明、当時のドナルド・トランプ大統領はソーシャルメディアに、灰色のスウェットスーツ姿で目隠しとヘッドフォンをされたマドゥロの写真を投稿。ヴァンダイク容疑者の賭けは、この直前の出来事に関連していたとみられる。
検察によると、マドゥロの権力喪失に関する賭けだけで40万4,000ドル以上の利益を得たとされる。
「この事件は、軍の作戦を私利のために悪用した米軍兵士の行為を示すものだ。国家安全保障と軍人の安全を脅かす行為は、断じて許されない」
— FBI、カッシュ・パテル長官
同事件は、軍の機密情報が民間の予測市場で不正利用された初めてのケースとして注目を集めている。