米下院民主党は14日、下院議長マイク・ジョンソン氏(共和党・ルイジアナ州)を迂回して、ウクライナ支援とロシア制裁を含む包括的法案の採決を強行するための署名を集めた。これにより、同法案は218票の賛成を確保し、採決に持ち込まれる見通しとなった。
共和党議員2名の協力で成立
同法案は、下院外交委員会筆頭理事のグレッグ・ミークス議員(民主党・ニューヨーク州)が提出したもので、14日に共和党議員のケビン・カイリー議員(無所属・カリフォルニア州)とドン・ベーコン議員(共和党・ネブラスカ州)が署名を加えたことで、必要な218票に達した。民主党全215議員のほか、ウクライナ支援を強く支持する両議員の協力が不可欠だった。
カイリー議員は声明で、「最近のウクライナの戦果により和平の機会が生まれたが、停戦の崩壊は外交を成功させるための圧力が必要であることを示している」と述べた。
法案の内容と今後の見通し
同法案は、ウクライナへの軍事支援として13億ドル、その他の支援として最大80億ドルの融資を承認するほか、ロシアに対する新たな制裁を課す内容となっている。下院での採決は通過する可能性が高いが、共和党が多数を占める上院とホワイトハウスの反対により、法案が成立する見通しは不透明だ。
強行採決の背景
今回の採決は、過去3年間で8回目となる「ディスチャージ・ペティション」(議員提案法案の強行採決)の活用例だ。今年の第119議会では、これまでに代理投票の導入やエプスタイン文書の公開、医療費負担軽減法の税額控除延長など、6件の法案で強行採決が実現している。今回のウクライナ支援法案は、メモリアルデー後の採決が見込まれている。
「民主党と共和党の超党派の協力により、議長の反対を押し切ってでも重要な法案を成立させる動きが加速している」と、政治アナリストは指摘する。
出典:
Axios