米国全土で巻き起こるデータセンター反対運動
米国各地の小規模な地方自治体で、AIデータセンターの建設に対する反対運動が激化している。巨大な施設が地域の水資源を枯渇させ、電気料金の高騰を招くと懸念され、民主党と共和党の有権者が政治的立場を超えて団結し、建設計画に反対している。
驚くべき超党派の連帯
ニューヨーク・タイムズによると、通常は極めて分極化が進む米国において、データセンター建設反対は驚くほど超党派の支持を集めている。ウィスコンシン州では、70%の有権者がデータセンターのデメリットがメリットを上回ると回答したという。
「当州では、通常極めて分極化が進んでいますが、この問題に関しては驚くほど意見の違いがありませんでした」
— マーケット大学法科大学院のチャールズ・フランクリン教授
ミルウォーキー出身のコメディアン、チャーリー・バレンス氏は3月に開催されたデータセンター反対集会で、「これはビール以来の超党派の問題だ」と皮肉を交えて発言した。
象徴的な協力関係
特に象徴的な例として、ミシガン州のFacebookページ「Michigan for Jesus」の管理者(53歳)が、自らを「Never-Trumper」と名乗る人物と協力し、五大湖州でデータセンター建設反対運動を展開していることが報じられた。
政治家も巻き込む政治的火種に
データセンター建設反対運動は、幅広い政治的立場を持つ議員の注目を集めている。昨年、全米の新規データセンター建設一時停止を求めた進歩派のバーニー・サンダース上院議員(民主党、バーモント州)と、今年初めに同様の法案を提出した社会保守主義者でトランプ支持者のジョシュ・ホーリー上院議員(共和党、ミズーリ州)が、それぞれの立場を超えて協力関係を築いている。
雇用創出の主張に疑問符
データセンター反対派は、巨大施設が「地方に新たな雇用をもたらす」との主張にも疑問を呈している。さらに、AI技術そのものに対する反発も強まり、業界全体での大規模なレイオフが引き起こされている現状も批判の対象となっている。
急速な建設スピードが不安を煽る
多くのプロジェクトは巨大な規模で、住民の予想を超えるスピードで進められており、不安と不信感を募らせている。ミシガン州ライアン郡のデータセンター建設反対運動に参加する共和党支持者のスターレット・ピードル氏は、「民主党か共和党かは関係ありません。私たちは一丸となってこの問題に立ち向かっています」と語った。
政治的立場を超えた連帯の広がり
中間選挙を控え、自身の政治的立場を見直す住民も増えている。自らをMAGA共和党員と名乗るライアン・ワグナー氏は、ミシガン州カルカスカでデータセンター建設反対運動を展開する中、左派の環境活動家と協力関係を築いた。
「長年、民主党とは敵対してきましたが、自分たちの生活圏の問題になると、私たちも同じ人間なんだと気づきました」
— ライアン・ワグナー氏
データセンターを巡る今後の展望
地方自治体の反対運動は今後も拡大すると見られ、政治家や企業はその動向に注視を強めている。巨大なAIデータセンターが地域社会に与える影響について、さらなる議論が求められている。