BMWは傘下のチューニングブランド「アルピナ」が手掛ける初のフルモデルを発表する。5月15日に公開が予定されている新コンセプトカー「Vision BMW Alpina」は、グランツーリスモとしての高級感と快適性を追求したモデルとなる見込みだ。
今回の発表に先立ち、BMWはアルピナのシルエットを映したティザー画像を公開。スポーツファストバックテールを備えた低く構えたクーペのプロファイルが確認できる。画像からはドアの数は判然としないが、BMWの現行ラインナップにはないエレガントなグランツーリスモの雰囲気を醸し出している。
関係者によると、この新型モデルはかつての「BMW 8シリーズグランクー・プトカーはアルピナブランドの独自性を強調する可能性が高い。
快適性と贅沢を追求する新たな方向性
関連報道によれば、将来のアルピナ製品はBMW Mカーのような高性能志向ではなく、快適性、洗練性、贅沢さ、カスタマイズ性を重視したラインナップとなる見込みだ。BMWグループの研究開発責任者であるヨアヒム・ポスト氏は「スポーツではなく、スピード、快適性、贅沢さを追求する」と語っており、これはアルピナの伝統的な哲学と一致する。
アルピナはかつて高性能マシンを手掛けていたが、近年は高速道路を優雅に巡る「アウトバーンクルーザー」としての側面が強い。同社の歴史を振り返ると、そのルーツはレース用車両の開発にあったが、現在は快適性と静粛性を極めた贅沢なグランツーリスモへとシフトしている。
ロールス・ロイス出身デザイナーが関与か
今回のコンセプトカーのデザインには、元ロールス・ロイスのコーチビルダー、アレックス・イネスが関与したとの情報がある。イネス氏は「Boat Tail」や「La Rose Noire Droptail」といった伝説的なカスタムカーのデザインを手掛けた人物で、その斬新な発想が新型モデルにも反映される可能性が高い。
また、発表の舞台として「コンチェルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」が選ばれたことも注目される。同イベントは世界最高峰のカーデザインコンペティションとして知られ、パワーよりもデザインとエレガンスが重視される場だ。BMWは過去に同イベントで「Concept Skytop」や「Concept XM」を発表しており、今回も将来の量産モデルの方向性を示す重要な発表となる見込みだ。
「Vision」の名が示すもの
「Vision BMW Alpina」という名称からもわかるように、この新型クーペは量産化を前提としたモデルではない。しかし、BMWがアルピナブランドにどのような方向性を与えようとしているのか、そのビジョンを垣間見ることができる貴重な機会となるだろう。
今後、アルピナブランドはBMW Mとは異なる独自のポジションを確立し、贅沢で洗練されたグランツーリスモとしての地位を確立していくことが期待される。