米国のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)の長官候補として指名されていたショーン・プランキー氏が、指名辞退を表明した。
プランキー氏は11月20日、トランプ大統領に宛てた書簡で「現時点で、大統領に私の指名を検討対象から外すよう要請します」と述べ、上院での承認が困難であるとの見解を示した。同氏は「13か月前に指名されて以来、上院が私を承認する見込みがないことが明らかになった」と説明している。
プランキー氏の辞退要請は、直近でマークウェイン・ムリン氏が国土安全保障省(DHS)長官に就任した直後のことだ。CISAはDHSの傘下にあり、ムリン長官は同庁の長官人事を早急に確定させる必要性を強調している。
プランキー氏は書簡で「私の指名を辞退しますが、トランプ大統領による新たなCISA長官指名を全面的に支持します」と述べ、米国のさらなる発展への期待を示した。
上院の反対と人事の混乱
プランキー氏の指名は昨年末には事実上頓挫していたが、今年に入って再指名されたことで注目を集めた。一部報道では、再指名の手続きが「偶発的なミス」だったと指摘されたが、ホワイトハウスはこれを否定している。
上院議員の中には、サイバーセキュリティとは無関係の問題を理由にプランキー氏の指名に反対する動きがあった。特にフロリダ州選出のリック・スコット上院議員は、DHSが中止した沿岸警備隊関連の契約を巡り、フロリダ州の企業との関係を問題視し、指名にストップをかけた。
プランキー氏はかつて、当時のDHS長官クリスティ・ノーム氏の沿岸警備隊担当顧問を務めており、先月には沿岸警備隊を退役していた。
CISAの現状と今後の課題
プランキー氏が指名を辞退したことで、CISAはさらなる人事の混乱に直面することとなった。現在、同庁の長官職は空席で、マドゥ・ゴットゥムカルラ氏が暫定長官を務めていたが、リーダーシップに対する批判が相次ぎ、最近になってDHS内の別の役職に異動した。現在はニック・アンダーセン氏が暫定長官を務めている。
プランキー氏は、アンダーセン氏について「米国で最も有能なサイバーセキュリティ専門家の一人」と評価している。また、ムリン長官との関係についても「良好な関係にある」と述べ、同長官のDHS運営を支持していると語った。
プランキー氏の辞退要請は、まずポリティコによって報じられた。ホワイトハウス、DHS、CISAのいずれからも、コメント要請に対する回答は得られていない。
CISAを巡る環境の悪化
プランキー氏の辞退は、CISAにとってさらなる不安定要因となる。トランプ政権はCISAの人員と予算を大幅に削減しており、多くの幹部が退任や異動に追い込まれている。さらに、2027会計年度の予算案では、さらなる削減が提案されている。