米国防総省が昨年発表した記者資格制度(Pentagon Facility Alternate Credentials、PFAC)の新規則について、D.C.巡回裁判所が同伴義務化などを容認する判断を示した。同規則は、記者の資格を「安全上のリスク」と判断された場合に剥奪できる内容で、ニューヨーク・タイムズ紙と同紙記者ジュリアン・E・バーンズ氏が憲法違反を訴えていた。
下級審のワシントン連邦地裁は昨年12月、同規則の「安全上のリスク」に関する条項が憲法第5修正(デュー・プロセス条項)に違反し、曖昧すぎると判断。さらに、PFAC保持者の正規アクセスが軍事報道の透明性を高めていると指摘し、憲法第1修正(表現の自由)の観点からも違憲と結論づけた。同地裁はまた、規則が特定の報道機関を排除する目的で設計された可能性を指摘していた。
これに対し、国防総省は判決翌日に新たな規則を発表。憲法違反とされた条項を修正するとともに、PFAC保持者に対し「常時同伴」を義務付けるなど、物理的セキュリティ強化策を導入した。また、記者専用の「コレスポンデント・コリドー」にあった作業スペースを廃止し、新たな作業場所を別棟に設置すると発表した。
ニューヨーク・タイムズ側は、地裁の判決を履行するよう求める動きを強め、地裁もこれを認めた。しかし、国防総省は控訴審での一時停止を地裁に申請。特に、同伴義務やアクセス制限といった新たな物理的制限について、判決の執行停止を求めた。
D.C.巡回裁判所のジャスティン・ウォーカー判事とブラッドリー・ガルシア判事は、国防総省の主張を一部認め、新規則の一部を有効とする判断を示した。判決文では、安全管理の必要性と報道の自由のバランスについて、より広範な議論が必要との見解が示された。
主な争点
- PFAC資格の剥奪基準が憲法第5修正(デュー・プロセス条項)に違反するか
- 記者の正規アクセスが軍事報道の透明性に与える影響
- 国防総省の安全管理と報道の自由のバランス
- 新規則の「常時同伴」義務が憲法第1修正(表現の自由)に抵触するか
今後の展開
同伴義務を含む新規則の合憲性について、さらなる法廷闘争が予想される。また、軍事報道の透明性と国家安全保障のバランスを巡る議論が、今後も続く見通しだ。
「報道の自由は民主主義の基盤だが、安全管理も国家の責務である。この両者のバランスをいかに取るかが、今後の課題となるだろう。」
— 法学者のコメント