米国の市民団体が、移民税関執行局(ICE)の活動に抗議した平和的なデモ参加者からDNAを収集する国土安全保障省(DHS)と連邦捜査局(FBI)の方針を阻止するため、提訴した。
イリノイ州北部地区連邦地裁に4月24日に提出された訴状によれば、2020年にシカゴで行われた「オペレーション・ミッドウェイ・ブリッツ」と呼ばれる大規模な連邦捜査官の展開時に、ブルービューのICE施設周辺で逮捕された抗議者らが原告となっている。
原告らは、連邦政府が平和的な抗議者を不当に逮捕し、DNAサンプルを収集して政府データベースに遺伝子プロファイルを登録し、連邦研究所で永久保存していると主張。これは、合衆国憲法修正第1条(言論の自由)および第4条(不当な捜索・押収の禁止)に違反するほか、行政手続法(APA)にも反すると指摘している。
DNA収集の恒久的保存と利用差し止めを要求
訴状では、DHSとFBIが実施するDNA収集・保存プログラムが、抗議活動への参加を抑止する目的で利用される可能性があると懸念を示した。また、収集されたDNAデータが将来的に他の目的で悪用されるリスクについても警告している。
原告らは、DNAサンプルの恒久的保存と政府データベースへの登録を直ちに停止するよう求めるとともに、憲法違反の捜査手法を是正することを要求している。
政府の主張と今後の展開
DHSとFBIは、DNA収集が法執行機関の通常業務の一環であり、犯罪捜査に必要な手続きに基づいて実施されていると主張する見込みだ。しかし、原告側の弁護士は、
「抗議活動への参加が犯罪行為とみなされ、DNAが恒久的に保存されることは、市民の基本的権利を侵害するものです。これは米国の民主主義の根幹を揺るがす行為です」と強調している。
今後、裁判所は原告の求める差し止め命令の可否について審理を進める見込みで、判決が注目される。
出典:
Ars Technica