ファラデー・フューチャー、EVミニバン「FX Super One」の生産見直しを発表
EVベンチャーのファラデー・フューチャーは、2023年に発表したEVミニバン「FX Super One」の量産計画を一時停止すると発表した。同社は400Vの電気アーキテクチャが競争力に欠けると判断し、新たな技術仕様への移行を検討している。
800V化かレンジエクステンダー型への転換を模索
ファラデー・フューチャーは現在、2つの技術オプションを検討中だ。1つは800Vアーキテクチャの採用、もう1つはレンジエクステンダー型の動力システムの導入である。同社はこれらの変更により、「ユーザーにとってより強力な製品競争力と高い価値を提供できる」としている。
800Vアーキテクチャのメリットとして、ファラデー・フューチャーは「航続距離の延長、高速充電、優れたパワートレインエネルギー効率」を挙げている。また、レンジエクステンダー型については「米国東海岸のような極寒地域に適している」と強調した。
既存のEVメーカーも800V化に移行中
近年、メルセデス・ベンツ「EQS」、ポルシェ「ポルスター3」、ボルボ「EX90」など、多くのEVが400Vから800Vアーキテクチャへの移行を進めている。しかし、これらのメーカーが確立された自動車大手であるのに対し、ファラデー・フューチャーは「エンボディドAIエコシステム企業」を自称するペニーストック企業であることが課題だ。
量産再開は資金調達次第
FX Super Oneの量産再開は、戦略的投資家や中長期投資家からの資金調達が条件となる。同社は現在、2つの技術仕様に基づく納期スケジュールを提示している。
800V仕様の場合
- 第1フェーズ:6~9か月以内に初回納入
- 第2フェーズ:12~15か月以内
- 第3フェーズ:21~24か月以内
レンジエクステンダー仕様の場合
- 第1フェーズ:9~12か月以内に初回納入
- 第2フェーズ:21~24か月以内
- 第3フェーズ:24~28か月以内
同社は各フェーズの詳細については明らかにしていない。
ロボット事業への注力も表明
ファラデー・フューチャーは今回の見直しについて、新たなロボット事業に注力するための「重要な段階」と位置付けている。同社によると、2024年4月末までに計68台のロボットを出荷したという。
「今回の決定により、当社はEV事業の再構築に注力すると同時に、ロボット事業の重要な成長段階を支援することができる」
— ファラデー・フューチャーCEO
一方で、同社の過去の納期予測は度々遅延しており、今回のスケジュールも実現性に不透明感が残る。