ステランティスと東風汽車、2027年から中国・武漢でジープEVを生産

自動車大手のステランティス(Stellantis)は10月、中国の東風汽車(Dongfeng Motor)との提携を発表し、2027年から中国・武漢の工場でジープブランドの新型EVを生産する計画を発表した。生産されるEVは主に中国国内およびグローバル市場(特に欧州)向けとなる見込みだが、米国市場への投入は現時点では明言されていない。

ジープの象徴的なアメリカンイメージと中国製EVのギャップ

ジープは米国の象徴的なブランドとして知られ、軍用車両の歴史や1950~60年代の「共産主義の拡大阻止」といった軍事的遺産によってそのイメージが形成されてきた。しかし今回の発表により、同社のEV戦略の一端が中国の製造技術と工場に依存する可能性が浮上した。

ステランティスと東風汽車は、DPCA(東風プジョーシトロエン自動車)を通じて30年以上にわたる提携を続けており、今回の合意により武漢工場ではジープの新型EV2車種と、プジョーの新型EV2車種が生産される予定だ。ジープの新型EVについては「新エネルギー車」と表現されており、完全な電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド(PHEV)の可能性がある。

プジョーも中国で次世代EVを展開

プジョー側の計画も明らかになりつつある。同社は北京モーターショー2024で発表されたコンセプトカー「Concept 6」(セダン)と「Concept 8」(大型SUV)をベースとした新型EVを、武漢工場で生産する。これらの車両は、プジョーのグローバルなプレゼンス向上を目指す戦略の一環だ。

今回のプロジェクトには総額10億ユーロ超(約1.16兆円)の投資が見込まれており、ステランティスが約1億3000万ユーロ(約151億円)を拠出するほか、湖北省の地方政府も支援に加わる。ステランティスのCEO、アントニオ・フィローザ(Antonio Filosa)氏は発表の中で「両社の強みを最大限に活かし、世界中の顧客に信頼される革新的なEV技術を搭載した新型車両を投入する」と述べた。

「中国製ジープ」に対する顧客の反応は?

「ジープは米国の象徴。中国製のジープを買うか?」
— 米国の自動車愛好家のコメント

一方で、米国市場では2026年に発売予定の特別仕様車「Wrangler America250 Edition」など、米国製にこだわる顧客も少なくない。中国製EVが米国市場に投入されるかどうかは現時点では不透明だが、ステランティスのグローバル戦略の一環として注目される。

出典: CarScoops