電気自動車時代のGTI、ID.ポロ GTIがデビュー
フォルクスワーゲンは、新たな電気自動車(EV)時代の幕開けを告げるモデルとして、ID.ポロ GTIを発表した。50年にわたり「ホットハッチ」の象徴として君臨してきたGTIの電動化第一弾であり、その伝統を受け継ぎつつも、全く新しいアプローチで設計されている。
223馬力のモーターで6.8秒の加速を実現
ID.ポロ GTIは、フロントに配置された単一の電気モーターが223馬力(226PS/166kW)と290Nmのトルクを前輪に送り出す。これにより、0-100km/h加速は6.8秒を達成。一方で最高速度は175km/hに制限されている。対照的に、従来のガソリン車GTI(ゴルフGTI)は同加速を5.9秒でこなし、最高速度は250km/hに達する。
航続距離と充電性能
標準仕様のID.ポロ GTIに搭載される52kWhのNMCバッテリーは、WLTPサイクルで最大424kmの航続距離を実現する。これは同クラスのEVとしては優秀な数値だが、従来のガソリン車GTIの航続距離には及ばない。充電性能では、DC急速充電器で最大105kWを受け入れ可能。10%から80%までの充電に約24分を要し、AC充電は11kWに対応する。
GTIらしい走りと先進技術の融合
ID.ポロ GTIは、単にモーター出力を向上させただけではない。電子制御式前輪差動ロック、アダプティブDCCスポーツサスペンション、プログレッシブステアリング、19インチアルミホイール、プレミアムスポーツシート、IQ.LIGHT LEDマトリックスヘッドライトを標準装備。さらに、専用のGTIモードを搭載し、ステアリングホイールのGTIボタンを押すと、モーター反応、ステアリング、サスペンション、シャシーシステムが最も攻撃的な設定に切り替わる。インテリアのアンビエントライティングは赤色に変化し、グラフィックも変更。発進制御が利用可能となり、フォルクスワーゲンはエンジン音を模したサウンドも追加している。
ID.ポロ Clubsportの存在も明らかに
2023年に発表されたコンセプトカー「ID.ポロ GTIコンセプト」に搭載されていた偽のギアシフトは、量産型GTIには採用されなかった。しかし、よりハードコアな仕様となるID.ポロ Clubsportには搭載される予定だという。同モデルは現在開発中で、コンセプトカー同様のブラックプラスチックアーチトリム(初代ゴルフGTIへのオマージュ)を採用する可能性がある。また、2027年発売予定の同モデルは、フル幅の赤いストライプや3D GTIバッジ、ハニカムグリルなど、コンセプトカーに近いデザインを踏襲する。
米国市場への投入は見送り
ID.ポロ GTIの価格は、従来のガソリン車GTIよりも8,000ドル安い設定となっている。しかし、フォルクスワーゲンは米国市場への投入を見送る意向を示しており、欧州やその他の地域で先行発売される見込みだ。