ChatGPTのローンチからわずか3年半で時価総額が290億ドルから最大1兆ドルへと急成長を遂げたOpenAIだが、その勢いは一転、今年に入ってからは相次ぐ失敗と論争に見舞われている。同社の将来性と競争力に対する疑問が浮上し、IPO計画にも影を落としている。

防衛契約を巡るPR災害

2月にOpenAIは米国防総省との高額契約を獲得したが、これはAnthropicが拒否した案件だった。Anthropic CEOのDario Amadeiは、同社のAIモデルが米国民の大量監視や自律型兵器システムに使用されるべきでないと明言していた。しかし、米国防総省はこれを受け入れず、OpenAIが契約を引き受ける形となった。この判断はPR面で大きな打撃となり、Altman CEO自身も「機会主義的で稚拙な判断に見えた」と後に認めている。

この契約はChatGPTのアンインストール率急増を招き、プログラマーの間ではAnthropicのモデルが優位に立つ結果となった。さらに、この出来事はOpenAIの内部混乱を露呈させることとなった。

Sora廃止が招いた混乱

3月にはテキストtoビデオAIアプリ「Sora」の廃止が発表された。同アプリは著作権侵害コンテンツやAIによる無意味なコンテンツで溢れていたことが判明し、Wall Street Journalによると、OpenAIは次世代モデルの開発にリソースを集中させるためにSoraを廃止することを決定した。これはAnthropicが台頭する中で、OpenAIが後れを取り始めていることを示唆するものだ。

さらに深刻な問題として、この廃止発表はDisneyとの10億ドル規模の契約直後に行われた。Reutersによると、両社の幹部がSoraに関連するプロジェクトについて話し合っていたわずか30分後に廃止が発表されたという。この一連の出来事は、OpenAIの内部における混乱ぶりを如実に示している。

財務状況の悪化と幹部の離脱

OpenAIは2030年までに1000億ドルの広告収入を達成すると主張しているが、現在の財務状況を鑑みると、この数字は現実味を帯びていない。支出は依然として収益を大幅に上回っており、2月には1.4兆ドルとされていた2030年までのインフラ投資を6000億ドルに引き下げざるを得なかった。

さらに、同社のアプリケーション部門責任者Fidji Simoが今月に入り、健康上の理由で医療休暇に入ることを発表した。また、最高マーケティング責任者のKate Rouchも健康回復のために退任を発表している。これらの幹部の離脱は、同社の経営陣にさらなる不安を与えている。

ニューヨークタイムズによる調査報道

ニューヨーク・タイムズによる詳細な調査報道では、OpenAIが置かれている厳しい状況が浮き彫りにされた。同社の将来性と競争力に対する疑問が改めて投げかけられ、IPO計画の実現可能性についても懐疑的な見方が強まっている。

出典: Futurism