Steam Deckの画面を除いた存在とも言えるSteamコントローラー。その革新性と限界について、改めて振り返ってみたい。

Steam Inputがもたらしたコントローラーの新時代

多くのPCゲーマーは、Steamで使用するコントローラーとして、Sony DualSense8BitDo UltimateNintendo Switch Proなど、すでに自分好みのデバイスを選んでいる。Steamはこれらのコントローラーを「ネイティブ」デバイスとして扱い、高い互換性を提供していた。

その背景には、Steam Inputと呼ばれるシステムがあった。Steam Inputを通じて、ユーザーはさまざまなゲームシーンに応じたカスタマイズ可能なコントロールスキームを作成できる。例えば、飛行シーン、徒歩移動、メニュー操作など、シーンごとに最適な操作設定を用意し、ボタン一つで切り替えることが可能だった。これは、当時のコンソールでは実現できなかった機能であり、PCゲーミングにおける大きなアドバンテージだった。

Steamコントローラーの独自性とは

Steamコントローラー自体は、2015年に発売されたハードウェアだが、その真価はソフトウェア面にあった。タッチパッドとデュアルアナログスティックを搭載し、直感的な操作を実現していた。また、Steam Inputとの連携により、ユーザーはゲームごとに最適な操作方法をカスタマイズできる柔軟性を持っていた。

しかし、Steamコントローラーの最大の特徴は、その汎用性にあった。Steam Inputを通じて、他社製のコントローラーでも同様のカスタマイズが可能になったため、Steamコントローラー単体の需要は徐々に低下していった。

なぜSteamコントローラーは「大事」だったのか

Steamコントローラーが注目された理由の一つは、PCゲーミングにおける操作の自由度を広げた点にある。従来のコンソールでは、固定された操作体系が当たり前だったが、Steamコントローラーはその枠を超え、ユーザーにとって最適な操作環境を提供しようとした。

また、Steam Inputの登場により、他社製コントローラーでも同様の機能が利用できるようになったことで、PCゲーミング全体の操作性が向上した。これは、Steamコントローラーがもたらした間接的な影響と言えるだろう。

Steamコントローラーの終焉とその後

Steamコントローラーは2019年に生産終了を発表した。その理由として、Steam Inputの普及により、専用のハードウェアの必要性が薄れたことが挙げられる。しかし、その革新的なアプローチは、現在のPCゲーミングコントローラーの在り方に大きな影響を与え続けている。

今では、多くのコントローラーがSteam Inputに対応しており、ユーザーは自分に合った操作方法を自由にカスタマイズできるようになった。Steamコントローラーが切り開いた道は、今もPCゲーミングの進化を支えている。

出典: The Verge