暗号資産(暗号通貨)市場で、World Liberty Financial(WLFI)のトークン価格が18%急落した。同社の「トークンロック解除」提案がわずか15分で可決されたが、そのプロセスと結果を巡り「インチキ投票」との批判が相次いでいる。
WLFIは、ドナルド・トランプ前米大統領との関係が注目を集める暗号資産プロジェクト。同社は5月6日の期限までに、170億WLFIのロック解除スケジュールを提案。早期投資家の保有するトークンを2年間ロックし、その後2年間かけて段階的に解除するという内容だった。しかし、この提案は「投票が不透明」「結果が操作された」との疑念を招いた。
「99.95%が賛成」の裏で浮かぶ疑問
投票結果は、66億WLFIの賛成票に対し、330万WLFIの反対票と圧倒的な差。最大の反対票保有者は56万9900WLFIだったが、最大4つの賛成票保有者が25億WLFIを保有し、全体の約40%を占めた。さらに、投票は15分で成立。15分時点で15億票を獲得し、必要な定足数の148%を達成した。
WLFIは、反対票を投じた保有者に対し、「永久にロックされ、ガバナンス投票のみに参加可能」と事実上の強制を示唆。これにより、多くの投資家が賛成票を投じざるを得ない状況に追い込まれた。
「インチキ」「独裁的」との声
WLFIの公式フォーラムでは、賛否両論が飛び交った。中には「詐欺師」とまで非難する声も。SNS上でも同様の反応が広がり、「コミュニティガバナンスの名の下に行われた独裁的な決定」との批判が相次いだ。あるユーザーは「提案に賛成しないとトークンを永久に失う」と皮肉を込めて投稿した。
「提案:我々の理不尽な計画に賛成しろ。さもなければトークンを永遠に失う」
— Xユーザー @thatrtx(2026年4月29日)
元支援者のジャスティン・サン氏がWLFIを提訴
WLFIの最大の元支援者であるTron(トロン)CEOのジャスティン・サン氏は、同社を提訴するに至った。サン氏は「早期投資家として保有するトークンがブラックリストに登録され、投票すらできない状態だ」と述べ、WLFIに対しブラックリストの解除とトークンの焼却回避を求めている。
さらなる問題:犯罪組織との関与疑惑
WLFIは、東南アジアの犯罪組織との関与疑惑も浮上している。昨年、同社は暗号資産リゾートを運営するAB社と提携したが、そのリゾートの実質的支配者である楊健(ヤン・ジエン)氏と楊延明(ヤン・ヤンミン)氏が米国の制裁対象者だったことが判明。米国は昨年10月、海外の暗号資産詐欺産業に対する取り締まりの一環として、両氏を制裁対象に指定した。
WLFIは現在、トークン価格の下落に加え、ガバナンスプロセスの透明性や犯罪組織との関与疑惑など、複数の問題に直面している。