WrestleMania 42を終えたWWEは、毎年恒例の「大量解雇」を実施した。多くの選手が突然の解雇通告に驚く中、注目を集めたのは自ら去った選手たちだった。特に、黒人タッグチーム「ニュー・デイ」のコフィ・キングストンとザビア・ウッズが、自らの意思でWWEを退団する決断を下したのだ。

ニュー・デイは、WWEの歴史に残る最も成功したタッグチームの一つだ。当初はヒール(悪役)として活躍したが、その人気と魅力でファンを魅了し、最終的にWWEの最多記録を持つタッグチームへと成長した。キングストンは2019年のWrestleMania 35で、アフリカ出身者として初のWWE王座戴冠を果たし、その歴史的瞬間は多くのファンの記憶に残るものとなった。

ニュー・デイは、WWEの象徴的存在であり、ファンからも常に高い支持を得ていた。そのため、彼らがAEWのケニー・オメガやヤング・バックスとの対戦をファンが望む「夢のカード」が実現することはなかった。ニュー・デイは、WWEで生涯を終える「WWE一筋」の選手と見られていたが、今回の退団発表は業界に大きな衝撃を与えた。

WWEの大量解雇と選手の「再構築」要請

WWEの大量解雇自体は珍しいことではない。長期間TVに登場していない選手や、既に退団が決まっていた選手がリストラの対象となることが多い。しかし、2021年にはビンス・マクマホンが経営していた当時、TVに出演していたベテラン選手や新規契約選手までもが、契約の「再構築」を迫られる事態が発生した。

PWInsiderの報道によると、多くのWWE選手が50%の給与カットを要請され、実際に受け入れたとされている。レスリング・オブザーバー・ニュースレターのデイブ・メルトザー氏は、この報道を裏付ける形で、給与カットを要請された選手は「トップクラスではない」と発言している。また、メルトザー氏は「最近の昇給もあったが、給与カットを要請された選手は明確にランク付けされている。トップクラスの選手にはカット要請はなかった」と述べている。

さらに、Fightfulの報道では、複数の選手が給与カットの受諾を2日間で決断するよう迫られたという。キングストンは自身のSNSで「過去16年間、WWEは私のホームだった。成長し、失敗し、学び、幼い頃に夢見たことを実現できた場所だ」と振り返り、退団の決断を明かした。

ニュー・デイの遺産と今後の展望

ニュー・デイの退団は、単なるタレントの去就にとどまらない。彼らはWWEの歴史に残るタッグチームであり、その存在は多くのファンにとって特別なものだった。彼らの退団は、WWEが選手との関係性をどのように捉えているのか、という疑問を投げかけるものでもある。

今後、キングストンとウッズの動向が注目される。彼らはWWEの象徴として、業界に新たな可能性を示す存在となるのか、それとも新たな挑戦の場を求めるのか。いずれにせよ、彼らの決断はWWEの歴史に新たな一章を刻むことになるだろう。

出典: Aftermath