米国防総省によると、イランの報復攻撃により、中東に展開する米軍基地16カ所が被害を受けた。攻撃は米国とイスラエルの軍事行動に対する報復として実施され、その規模は前例のないものだった。

攻撃対象となったのは、主に高額な軍用機や通信システム。サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地では、米軍の監視・指揮・通信を担うボーイングE-3セントリー(価値約500億円)が破壊された。同機は現在生産中止となっており、代替が困難な状況だ。

このほか、クウェートのキャンプ・アリフガンでは、衛星通信を保護するドーム型構造物「レイドーム」がほぼ全て破壊された。レーダーシステムも大きな被害を受け、修復には多額の費用と時間を要する見込みだ。

米議会関係者によると、これまでに中東の米軍基地13カ所が事実上使用不能となり、軍人らはホテルやオフィスから遠隔作業を余儀なくされている。米戦略国際問題研究所(CSIS)とBBCの分析によると、戦争開始から2週間でイランの攻撃による被害額は約800億円に達した。

米下院軍事委員会の公聴会で、国防次官補ジュールス・ハースト氏はトランプ前大統領の軍事作戦にかかった費用を250億ドルと発表したが、基地修復費用は含まれていない。一方で、トランプ氏は米国がイランの軍事資産をほぼ壊滅させたと主張しているが、実態は異なるという報告もある。