2026年のNCAA男子バスケットボールトーナメント1回戦が行われたサウスカロライナ州グリーンビル。TCUホーンフロッグスのデビッド・パンチ選手が試合中に反応する様子が、同大会の熱気を象徴していた。しかし、現代のカレッジバスケにおいて、選手の移籍はもはや当たり前の時代となった。

シーズン終了後、選手は事実上のフリーエージェント。優勝を目指すには、NBAドラフト指名を上回る条件を提示するだけでなく、選手に大学に残る意思を固めてもらい、その上で補強を進める必要がある。今季、ミシガン大学はそのすべてを完璧にこなし優勝を果たした。しかし、毎年状況は変わり、移籍市場の動向も異なる。トランスファーポータルの混乱期は一段落し、NBAドラフトへのエントリーを検討する選手を除けば、主要選手の移籍はほぼ落ち着いた。

現在、来季の戦力バランスが見えてきており、全米の勢力図も明確になりつつある。早期のトップ25ランキングも発表されている。今回は、トランスファーポータルにおける「勝者」と「敗者」を特定する。注目は、スター選手を維持した大学ではなく、トップクラスのタレントを獲得(あるいは失った)大学だ。

優勝:ゴンザガ大学

ゴンザガ大学にとって、2025-26シーズンは厳しいものとなった。スター選手のブラデン・ハフ前衛が1月の練習中に膝蓋骨脱臼の重傷を負い、チームはシーズン終盤に精彩を欠いた。それでも、NCAAトーナメント1回戦を突破したが、32強でテキサス大学に敗退。ハフ不在の影響は大きかった。

しかし、マーク・フェュー監督は早速巻き返しを図った。アリゾナ州立大学から7フィート1インチの大型センター、マスンバ・ディオプを獲得。身長だけでなく、リムプロテクターとしての堅実さ、ミッドレンジシュートの優れたタッチ、そして驚くべき動きの良さを兼ね備える。ハフの復帰と合わせ、全米屈指の強力なフロントコートが完成した。

さらに、6フィート7インチのウイング、デイビス・フォグルが1年目のシーズン終盤に好調を維持し、2年目の飛躍が期待される。元マクドナルド・オールアメリカンのイシア・ハーウェルがヒューストン大学から転入し、攻撃に弾みをつけ、スペイン人ガードのマリオ・セント・スペリーは3ポイントシュート40%を記録するなど、1年目から活躍。ドイツ人ガードのジャック・カイルも加わり、フェュー監督のもと、再びファイナルフォーを狙えるチームが誕生した。

敗者:ケンタッキー大学

マーク・ポープ監督のもと、ケンタッキー大学は近年、トランスファーポータルを活用した補強で知られてきた。しかし、2026年の移籍市場では、主要選手の流出が目立った。

特に、スターター級の選手が相次いで転出。チームの再編が必要となったが、補強面では思うような動きが見られない。ポープ監督は、今季の戦力を維持するために奔走したが、結果として来季の戦力低下は避けられない状況だ。ケンタッキー大学は、常に優勝を狙うチームだけに、この移籍の波は痛手となるだろう。

注目選手の動向

  • マスンバ・ディオプ(ゴンザガ大学):7フィート1インチの大型センター。リムプロテクターとしての能力と、意外なほどのシュートタッチが魅力。動きの良さも際立つ。
  • デイビス・フォグル(ゴンザガ大学):6フィート7インチのウイング。1年目のシーズン終盤に好調を維持し、2年目の飛躍が期待される。
  • イシア・ハーウェル(ゴンザガ大学):元マクドナルド・オールアメリカン。攻撃の起爆剤として期待される。
  • ブラデン・ハフ(ゴンザガ大学):ケガから復帰。フロントコートの柱としてチームを牽引する。

「現代のカレッジバスケでは、選手の移籍は避けられない。重要なのは、いかにして新しい戦力を組み合わせ、チーム力を向上させるかだ」
— マーク・フェュー(ゴンザガ大学監督)

来季のカレッジバスケは、ゴンザガ大学の巻き返しと、ケンタッキー大学の再建が注目の的となる。移籍市場の動向が、全米の勢力図を大きく変える可能性もある。

出典: SB Nation