トランプ政権、有権者データの不正共有疑惑

トランプ政権の高官が、選挙プロセスの信頼を損なおうとする外部団体と機密性の高い有権者データを共有していた疑惑が浮上した。非営利団体「デモクラシー・フォワード」が公文書請求で入手した文書には、政府機関と選挙陰謀論団体とのやり取りが記録されていた。

「選挙データ共有」の実態

公開されたメールの多くは政府により大幅に黒塗りされていたが、その中には「選挙関連の機密データを共有できて興奮する!」といった団体側のメッセージも含まれていた。具体的な団体名は伏せられているものの、2020年の選挙陰謀論を煽った組織との関与が示唆されている。

「トランプ・バンス政権は、アメリカ国民の個人データを誰に、なぜ不正に共有したのかを隠し続けている」と、デモクラシー・フォワードのCEO、スカイ・ペリーマン氏は批判した。

エルン・マスク氏の関与も浮上

今年初め、社会保障庁が裁判所に提出した文書により、マスク氏の側近が選挙否定派グループと不正なデータ共有を行っていたことが明らかになった。この際、具体的な団体名は明かされなかったが、選挙否定派団体「トゥルー・ザ・ボート(True the Vote)」が関与していた可能性が指摘されている。

2025年3月、トゥルー・ザ・ボートは政府の臨時諮問機関「DOGE」に対し、公式ウェブサイトで次のようなメッセージを発信していた。「DOGEの効率化の使命と選挙データの不一致に関する知見を踏まえ、全国の有権者登録システムの調査を強化すべきです。我々はこの取り組みを支援する用意があります」と。

トゥルー・ザ・ボートはその後、このスキャンダルへの関与を否定している。

全国の有権者データに対する政権の動き

このスキャンダルは、トランプ政権が全国の州有権者名簿へのアクセスを強化し、数千万人のアメリカ人の機密データを不正に収集しようとしている動きの一端を示している。司法省は既に30州以上を提訴し、データの提出を求めているが、その多くが裁判所で却下されている。

一方で、共和党主導の13州以上が自主的にデータを提出するか、提出を約束している。提出済みの州にはアラスカ、アーカンソー、インディアナ、ルイジアナ、ミシシッピ、ネブラスカ、オハイオ、オクラホマ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ワイオミングが含まれる。

しかし、カリフォルニア、マサチューセッツ、ミシガン、オレゴン、ロードアイランドの各州では裁判所が司法省の要求を却下。アリゾナ州ではトランプ任命の判事が、詳細な有権者登録名簿は連邦法に基づく「検察官総長の請求対象ではない」と判断し、却下した。

選挙プロセスへの影響と今後の展開

この問題は、選挙の透明性と信頼性に対する重大な懸念を引き起こしている。専門家らは、有権者データの不正利用が選挙結果に影響を与える可能性や、選挙への信頼がさらに低下するリスクを指摘している。今後、司法の場でどのような判断が下されるのか、注目が集まっている。