「ザ・ボーイズ」シーズン5第5話のレビューにはネタバレが含まれます。
第5話は nonlinear な構成で、1日に起きた出来事を複数のキャラクターの視点から描く異例の展開となった。各エピソードの出来はまちまちながら、全体としては「熱い混沌」と呼ぶほかない内容だった。それでも、唯一心を掴まれたシーンもあった。
火花(ファイアークラッカー)の裏切り
火花は、これまで信頼を寄せてきた人々と自らの信念を完全に裏切る決断を迫られる。彼女の行動は、シリーズの核心に迫る重要な転換点となるだろう。
ブラック・ノワールの mentor 喪失
ブラック・ノワールは mentor であるアダム・バーク(常に面白みを放つ存在)を、ディープの些細な暴力によって失う。 mentor としての存在感が薄れ、彼のキャラクターに新たな影が差す展開となった。
テラーの奇妙なエピソード
テラーの回では、彼の性的欲求とチョコレート嗜好が奇妙に絡み合う。シリーズ屈指の奇抜なキャラクターだからこそ成立する、一見無意味ながらも記憶に残るシーンだった。
シスター・セージの世界操作
シスター・セージは「世界で最も賢い人間」と称されるが、その知性はアシュリーたちを操り、世界戦争を引き起こすという形で表現される。果たしてこれが彼女の実力なのか、それともシリーズの過剰な演出なのか。いずれにせよ、この回は「低 IQ でも幸せ」と言わざるを得ない内容だった。
ソルジャー・ボーイの V1 追跡
物語は再び V1 の行方を追うソルジャー・ボーイの視点に切り替わる。スタン・エドガーに脅迫し情報を引き出すも、その先に待っていたのは、かつて「スーパーナチュラル」で共演したジャレッド・パダレッキー演じる「ミスター・マラソン」だった。彼の邸宅で交わされた会話は、コカイン、ノスタルジー、夢といった退廃的な要素に彩られ、V1 の手がかりは見つからない。
ミスター・マラソンは、ホムランダーが神として君臨しようとする狂気の計画を阻止するため、自らの命を捨てる覚悟を語る。しかし、ソルジャー・ボーイはその言葉に共感せず、やがて激しい戦いが繰り広げられる。
筆者は自らの意思で「スーパーナチュラル」全15シーズンを視聴した「罰当たりな人間」だが、パダレッキー、ミシャ・コリンズ、アクルスの再共演には期待を寄せていた。残念ながら、彼らの演技は楽しめるものの、シリーズの他の部分との整合性が取れず、まるで「ジス・イズ・ジ・エンド」の再来のようだった。
「有名人が本来のイメージとはかけ離れたキャラクターを演じる」という手法は、13年前には新鮮だった(筆者も「ジス・イズ・ジ・エンド」を楽しんだ)。しかし、今や陳腐化しており、シーズン5は既に「フィラー」が多い中で、さらなるノイズを加える結果となっている。セス・ローゲン、クマил・ナンジアニ、ウィル・フォルテ、クリストファー・ミンツ=プラッセ、クレイグ・ロビンソンといった面々は大好きだが、この手法はもはや飽きられてしまった。
もしかしたらシーズン5を後で振り返れば評価は変わるのかもしれない。しかし現時点では、かつてシリーズにあった「エッジ」が失われ、マイルドなミレニアル世代向けコメディに堕したことに歯ぎしりを覚える。あなたの評価は違うかもしれないが、今週は特に頑固者気味に感じているのかもしれない。