暗号資産(仮想通貨)業界で物議を醸すTRONの創始者、ジャスティン・サン氏は4月22日、米カリフォルニア州連邦裁判所にWorld Liberty Financial(WLFI)を提訴した。同氏はWLFIが保有する4500万ドル相当のWLFIトークンを不当に凍結したとして、契約違反、不当利得、虚偽表示、横領などの責任を追及している。
サン氏はX(旧Twitter)で「カリフォルニア連邦裁判所にWLFIを提訴し、$WLFIトークン保有者としての法的権利を守る」と表明。また「私は引き続きトランプ大統領とその政権の暗号資産推進政策を強力に支持している」と強調した。
WLFIの投資家が仲介に名乗り、長期訴訟回避を提案
WLFIはトランプ一家が関与する企業として知られ、ドナルド・トランプ氏が「最高暗号資産アドボケイト」、息子のエリック氏とドナルド・Jr氏、バロン氏が共同創業者を務める。こうした背景から、サン氏はトランプ政権との関係悪化を懸念している。
WLFIの投資家であるSameer Group LLC(米国、インド、UAEに拠点を置く投資会社)のCEO、Syed Sameer氏は声明を発表し、「サン氏の状況を公正に解決し、トークンのロック解除を支援する用意がある」と述べた。さらに「UAEの機関投資家と協力し、長期化する訴訟を回避したい」と強調した。
サン氏、WLFIの不当な行為を主張
サン氏の訴状によると、WLFIの運営陣(Chase Herro氏ら)が「WLFIをトランプブランドで利益を得る機会と捉え、詐欺行為に及んでいる」と主張。また、「WLFIが原告の財産権を bargaining chip(交渉材料)として悪用し、サン氏にさらなる資金提供を強要しようとした」との記載がある。
さらに、サン氏は「ブラックリスト化されたスマートコントラクトの更新により、 governance vote(ガバナンス投票)から排除された」と主張。WLFIが「トークンを焼却(burn)する脅迫を行い、投票権を奪った」とも述べている。
訴状には、WLFIがサン氏に対し「窃盗やトークンの横領」といった名誉棄損的な発言を行ったとの主張も含まれる。
トランプ一家との関係悪化の懸念
サン氏は「この訴訟はトランプ大統領や政権への支持を変えるものではない」と強調したが、WLFIとの関係悪化は、トランプ一家との協力関係に影を落とす可能性がある。同社はトランプブランドを活用したマーケティング戦略の中核としており、サン氏の提訴は同社の信頼性に影響を与える恐れがある。