米コメディアンのジョン・スチュワートが、南極航海中のクルーズ船で発生したハンタウイルス感染症の報道を巡り、メディアを厳しく批判した。10月28日放送の「ザ・デイリー・ショー」で、スチュワートは「報道がOJシンプソン逮捕中継のような扱いをしている」と指摘し、新型コロナウイルスとは異なり、ハンタウイルスはパンデミックのリスクが極めて低いと強調した。

「過剰反応は選択肢の一つ」と皮肉

番組冒頭でスチュワートは、ハンタウイルスの初期報道を引用しながら「過剰反応は選択肢の一つだが、正直なところ、それがないのはありがたい」と述べた。新型コロナウイルスとの比較を交え、「COVID-19は飛沫感染で症状がなくても広がり、未知のウイルスだった。感染源すらわからなかった」と当時を振り返った。

「当時は知る権利もあったし、知ることもできた。ただ、実際には何もわからなかったんだ。ウインク

一方でハンタウイルスは「既知のウイルスで感染力が低く、主にネズミの糞尿を介して感染する」と説明。その上で「クルーズ船でどうやってハンタウイルスが発生したのか?」と疑問を投げかけた。実際の感染源は、ネズミが生息するゴミ捨て場で鳥観察をしていたカップルだったという。

「現実は紙面を売らない」とメディアの在り方を問う

スチュワートは「現実は紙面を売らない」と述べ、火曜日に事実が明らかになったにもかかわらず、メディアが依然として不安を煽る報道を続けたと指摘。専門家らが「深刻な病気だが公衆衛生上の脅威は低い」と説明したにもかかわらず、報道は「浮かぶ悪夢」と表現し「次なるパンデミックになるのか?」と問いかけた。

「3日間にわたり、専門家が繰り返し『これはパンデミックにはならない』と説明した。それなのに、当局がクルーズ船を撃沈しないと決めた途端、まるで病気の乗客を水葬にするかのような扱いが始まった。そう、彼らは船を降りて一般社会に戻ることができたんだ」

さらにスチュワートは、ABCのニュース番組「ナイトライン」がハンタウイルスを「浮かぶ悪夢」と表現した例を取り上げ、「専門家の説明で一般市民の不安は和らいだ。だが、ニュースはそれを許すわけにはいかない」と皮肉った。

「ニュースの使命は公衆の理解を助けること」

番組の最後でスチュワートは、報道機関に対し「公衆が事実を理解できるよう、専門家の声を届けるべきだ」と呼びかけた。その上で「ニュースには、人々が不安を感じる権利を守る義務がある。だが、その不安に根拠はあるのか?ニュースの使命は、その違いを明らかにすることだ」と締めくくった。

出典: The Wrap