ディズニー、全社で約1000人のレイオフを発表
ディズニーは先週、全社で約1000人の従業員をレイオフしたと発表した。このリストラは全社的なものだが、マーベルスタジオのビジュアル開発チームが特に大きな打撃を受けたとフォーブスが報じている。
MCUのビジュアル統一を支えたチームが解体か
ビジュアル開発チームは、ケビン・ファイギが率いるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のビジュアル統一を担う重要な部門だった。同チームは、新たに登場するキャラクターの衣装や外観、さらには特定のシーンの構図までをデザインし、各映画の制作チームに引き継ぐ役割を果たしていた。
このチームの存在により、MCUの作品間でキャラクターのビジュアルが一貫し、クロスオーバー作品でも違和感なく統合できるようになっていた。例えば、『アベンジャーズ』の「アベンジャーズ Assemble」のポーズは、同チームによるコンセプトアートが基になっていたとされる。
チームの役割と業界内の反応
同チームの主な業務は以下の通り:
- 新キャラクターのビジュアルデザイン(衣装、外観、特徴)
- 映画の特定シーンの構図デザイン
- MCU作品間のビジュアル整合性の確保
- マーベルコミックの世界観を基にしたデザイン提案
しかし、同チームのビジョンが現場の制作チームと対立することもあったという。匿名の元スタッフは、業界関係者が「オリジナルのコミックのテイストから逃れようとする」傾向があると指摘し、ビジュアル開発の目標が時として現場の意向と相反していたと述べた。
レイオフの背景にある理由
今回のリストラの理由として、以下のような説が浮上している:
- スタジオ内の政治的な駆け引き:ビジュアル開発チームの存在が他部門との調整を難しくしていた可能性
- AI導入の流れ:既に各映画チームがAIを活用してビジュアルを生成しているとの声も
- コスト削減と柔軟性重視:フルタイムのアーティストを常駐させるのではなく、プロジェクトごとにフリーランスとして雇用する方針への転換
特に有力視されているのが、コスト削減策としての常勤アーティストの廃止だ。同チームは数年前にテレビ部門の拡充に伴い独立した部門となったが、その方針転換が追い打ちとなった可能性がある。
今後のMCUへの影響
ビジュアル開発チームの解体により、MCUのビジュアルの一貫性が損なわれる可能性が懸念される。同チームの役割は、各映画の監督やプロデューサーが個別にビジュアルを決定する際の「基準」として機能していたためだ。
一方で、フリーランスのアーティストを活用することで、より柔軟な体制が構築される可能性もある。しかし、MCUの制作サイクルの厳しさを考慮すると、その移行には課題が伴うだろう。
「ビジュアル開発チームのビジョンが現場と対立することもあったが、その存在がMCUの世界観の一貫性を支えていたのは事実だ」
— ポリゴンのレポートより