米国のドナルド・トランプ大統領は2026年4月24日、メリーランド州のアンドルーズ空軍基地でエアフォースワンに搭乗した。写真はロベルト・シュミット氏(ゲッティイメージズ)

トランプ大統領「米イラン戦争は終結」

トランプ大統領は議会に対し、米国とイランの戦争が「終結した」と発表した。しかし、その主張の真偽は疑問視されている。以下、その背景と現状を解説する。

何が起きたのか

2026年4月25日、米議会に提出された大統領書簡で、トランプ氏は米イラン戦争の終結を発表した。その根拠として、同年4月7日以降、米軍とイラン軍の間で「交戦が行われていない」ことを挙げた。

同書簡には以下のように記されている。

「2026年2月28日に始まった敵対行為は、終結しました。米軍とイラン軍の間で、4月7日以降、交戦は行われていません。」

しかし、この主張には重大な問題が残る。米国は現在もホルムズ海峡の封鎖を継続しており、イラン船籍の船舶に対する攻撃も発生しているためだ。

真実か?

現状では、戦争が完全に終結したとは言い難い。以下の理由から、その主張は疑わしい。

  • ホルムズ海峡封鎖の継続:米国は依然としてホルムズ海峡を封鎖しており、イラン船籍の船舶に対する攻撃も報告されている。トランプ氏は先月、封鎖を侵害しようとしたイラン船籍の船に対し、「エンジンルームに穴を開けた」と発言している。
  • 米軍の駐留継続:米軍は依然としてイラン周辺に展開しており、紛争が再燃する可能性は排除できない。
  • 恒久的な和平合意の不在:トランプ氏は紛争終結に向けた恒久的な合意に至っておらず、再び戦闘が激化する可能性を示唆している。

法的な文脈と歴史的背景

トランプ氏の主張は、戦争権限決議(War Powers Resolution)を回避するための戦略と見られている。同決議では、米国が軍事行動を開始した場合、議会は60日以内に承認を与えるか、60日の延長を認める必要がある。しかし、トランプ政権はこれらの手続きを踏んでいない。

米国の元国務次官補スティーブン・ラデメーカー氏は、ワシントン・ポスト紙の寄稿で、歴代大統領が党派を問わず戦争権限決議を回避してきた歴史的経緯を指摘している。

こうした状況下で、トランプ氏の主張が法的な正当性を持つかどうかは、今後の議会の対応にかかっている。

出典: Vox