NASAのアルテミス2号ミッション搭乗員がホワイトハウスを訪問し、月周回飛行の成功を祝うセレモニーに出席した。しかし、その場でドナルド・トランプ大統領がNATO(北大西洋条約機構)への批判を展開し、搭乗員らは困惑の表情を浮かべた。
搭乗員らは、レゾリュート・デスクの後ろでトランプ大統領に並ばされた際、NATO加盟国の支援に関する質問を浴びせられた。大統領はNASA長官のジャレッド・アイザックマン氏(2025年1月から3代目のNASA長官)に向かって「戦争で勝利した後で支援を送るのか?」と発言。その後、手を広げながら搭乗員らを振り返り、「君たちを巻き込みたくはないが、君たちの考えは想像できる」と皮肉交じりのコメントを発した。
しかし、その場にいた誰も笑顔を見せず、搭乗員らは苦悶の表情を浮かべた。口を固く結び、顔を背ける様子が、出席者の注目を集めた。「アルテミス2号搭乗員がトランプ氏のNATO批判に困惑する様子」とのコメントとともに、映像がSNSで拡散された。
トランプ大統領は長年にわたり、米国のNATO加盟に対する批判を繰り返してきた。他加盟国が「負担を怠っている」と主張するが、これは事実に反する。NATOは「各国が支払うべき額や負債を記録する台帳を持たない」と、元オバマ政権スタッフのアーロン・オコンネル氏が2018年のNPRインタビューで説明している。NATOは「年会費制のクラブではない」のだ。
それでもトランプ氏は、NATO加盟国を「臆病者」や「ひどい連中」と呼び、イランのホルムズ海峡封鎖に際して支援を拒否したと非難。英国のチャールズ国王が米議会合同会議でNATOの重要性を訴えた翌日には、大統領は「国王の演説は素晴らしかった」と述べたものの、NATOに対する自身の立場は変わらないと明言した。
NATOの解体が西側諸国にどのような利益をもたらすのかは不明だ。トランプ氏の第一期政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏(レーガン政権でも同職を歴任)は、同盟からの離脱がもたらす影響は「壊滅的」だと警告。米国がNATOを脱退すれば、欧州同盟は分裂し、米国の国際的信頼は大きく損なわれる可能性があるとしている。