米国の経済政策をめぐり、トランプ前大統領が自身の判断が経済に与えた影響を事実上認める発言を繰り返している。特に、イラン攻撃の決定がエネルギー価格やインフレ率の急上昇につながったとの見方が強まっている。
共和党議員も疑問視するホワイトハウス改装費用の公費流用
トランプ氏がホワイトハウスのボールルーム改装費用として納税者負担を求める動きについては、共和党内でも反発が広がっている。ユタ州選出のジョン・カーティス上院議員は「民間資金で賄われていた頃はよかった。だが10億ドルを要求されるとなると、厳しい質問が出てくる」と述べた。ペンシルベニア州選出のブライアン・フィッツパトリック下院議員も「絶対に認められない」と明言した。
トランプ氏、イラン攻撃が経済に与える影響を公言
トランプ氏は過去5週間で少なくとも15回にわたり、イラン攻撃が経済に及ぼす影響について語ってきた。5月1日にフロリダで行った演説では、攻撃前の原油価格が1バレル60~70ドルで、ガソリン価格が州によっては1ガロン1.85ドルと安かったと振り返りながら、次のように述べた。
「皆さん、お祝いしましょう。米国の株式市場は過去最高値を更新しました。原油価格は非常に安く、ガソリンは2ドル以下で購入できていました。特にアイオワ州では1ガロン1.85ドルでした。しかし、ここで皆さんに残念なお知らせです。私たちはイランという美しい国に旅をしなければなりません。核兵器を保有させないためです。そのためにB-2爆撃機を投入しました。もしそうしなければ、イランは核兵器を保有していたでしょう。」
同氏は攻撃前のガソリン価格の安さを強調し、現在は平均で1ガロン4.50ドルに上昇したと指摘。その上で、攻撃が経済に与える影響を予見していたことを示唆した発言を繰り返している。
攻撃前後の経済指標の変化
- 原油価格:攻撃前の65ドルから92ドル(4月12日時点)、100ドル(5月6日時点)に上昇
- ガソリン価格:攻撃前の1ガロン1.85ドル(一部州)から平均4.50ドルに上昇
- 株式市場:攻撃前のダウ平均50,000ポイント超から下落傾向
- インフレ率:エネルギー・食料品価格の高騰により、コアCPIが上昇
トランプ氏の経済責任回避戦略の限界
これまでトランプ氏は、経済が好調な際には自身の功績と主張し、悪化時には「中国ウイルス(新型コロナウイルス)」や連邦準備制度理事会(FRB)などの他者に責任を転嫁してきた。しかし、イラン攻撃については自身の判断が経済に与えた影響を直接認める発言を繰り返しており、責任回避が困難な状況に追い込まれている。
4月12日のマリア・バーティロモ氏とのインタビューでは、攻撃により原油・ガソリン価格がさらに上昇する可能性について尋ねられた際、バーティロモ氏が驚きの表情を見せた場面もあった。トランプ氏は「11月までに価格がさらに上がるかもしれない」と述べていた。
今後の経済見通しと政治的影響
イラン攻撃が経済に与える影響は長期化する可能性が高く、国民生活への負担が続く見通しだ。トランプ氏の経済政策に対する批判は共和党内でも強まりつつあり、今後の選挙戦に与える影響が注目される。