ネバダ州リノ在住のジェイソン・キリンガー氏(38歳)が、AI顔認識カメラの誤認識により不当逮捕されたとして、リノ市を相手取り訴訟を起こした。同氏は、警察官リチャード・ジェイガーによって12時間にわたり拘束された経緯があり、その責任を市当局に問うている。

キリンガー氏の代理人は、連邦判事ミランダ・デュ氏が市を被告とすることを認めた後、リノ市を新たな被告に加えた。既に警察官ジェイガーを相手取った訴訟は進行中だが、今回の措置により市の責任も追及されることとなった。

AIの「100%一致」が招いた悲劇

キリンガー氏はカジノで賭けを行っていた際、別の男性と「100%一致」するとAIシステムに判定された。その男性は過去にカジノ入場を禁止されていた人物だった。カジノの警備員に拘束された後、ジェイガー警官はキリンガー氏を偽造ID所持の疑いで逮捕した。

しかし、キリンガー氏は少なくとも3種類の有効なIDを所持していたと主張。警官はそれらを確認せず、AIの判断のみを根拠に逮捕を行ったとされる。

市の責任も追及 — AI活用の法的枠組みが問われる

新たな訴訟では、リノ市が警察官に対し、AI顔認識ツールの適切な使用方法に関する研修を怠ったことが非難されている。キリンガー氏の代理人は、このような不当逮捕が「数千件」に及ぶと主張し、市の責任を追及している。

「ジェイガー警官の行為は、単なる一人の職員の不正行為ではなく、数百人の市職員が数年にわたり同様の方法で逮捕を行ってきた、市の慣行の結果だ」
— 改訂された訴状より

AI警察のリスク — 他の事例から見る危険性

AIによる誤認識が招く不当逮捕は、キリンガー氏のケースに限らない。昨年には、ノースダコタ州ファーゴで、AIが生成した情報を基に無実の祖母がATM詐欺の容疑者とされ、6か月以上拘束される事件も発生した。銀行記録により、彼女は犯行当時1,200マイル離れた場所にいたことが証明された。

キリンガー氏の代理人は、具体的な賠償額を明示していないが、リノ市の納税者が懲罰的損害賠償や弁護士費用、手錠による負傷に対する補償を負担する可能性がある。

AI時代の法的責任 — 先例となる可能性

キリンガー氏が勝訴すれば、AIアルゴリズムが人間に代わって「警察業務」を行う時代における、不当逮捕の法的責任に関する重要な判例となる可能性がある。

出典: Futurism