米軍事産業大手のテック企業パランティアは、米国が徴兵制を復活させるべきだと提言する22項目のマニフェストを発表した。同社は4月19日、X(旧Twitter)上で「技術共和国」と題する文書を公開し、同社共同創業者兼CEOのアレクサンダー・C・カルプ氏と法務責任者のニコラス・W・ザミスカ氏による2025年の書籍の要約であると説明した。
同社の主張は、テック企業と政府の関係性に対する独特な見解に基づいている。マニフェストでは「シリコンバレーはその成長を可能にした国家に対し、道義的な負債を負っている」と述べられており、テック企業が国家防衛に参加する義務があると主張している。
具体的には、AI兵器やロボット兵器の開発、国内の犯罪対策強化、さらには「空虚な多元主義」への抵抗などが提言されている。また、同社は他のテック企業を批判し、iPhoneのような消費者向け製品の開発を「堕落」とし、代わりに「安全保障」を重視すべきだと主張している。
主な提言内容
- 徴兵制の復活:全ての国民がリスクとコストを共有するべきだと主張。
- AI兵器の開発:軍事用途のAI技術を積極的に推進。
- 国内犯罪対策:テック企業が警察と連携し、犯罪抑止に貢献すべき。
- 監視技術の拡大:AIを活用した監視体制の強化を提言。
- シリコンバレーの役割転換:消費者向けアプリ開発から軍事・安全保障分野へのシフトを求める。
一方で、同社の主張には矛盾も見られる。例えば、宗教的信念への寛容を求めながらも、「空虚な多元主義」への抵抗を主張するなど、一貫性に欠ける部分も指摘されている。
専門家からの批判
このマニフェストに対し、専門家からは「テック企業が国家の命令に従うべきという考えは、自由主義社会の原則に反する」との批判が寄せられている。また、同社が提供する監視技術が人権侵害につながる可能性についても懸念が示されている。
「テック企業が国家防衛に貢献すべきという主張は、シリコンバレーの成長を支えた自由主義の原則を否定するものだ」
— 匿名のテック業界関係者
さらに、同社の監視技術が他の団体によって悪用される可能性についても指摘されている。例えば、子ども安全保護団体「Thorn」がパランティアの顔認証技術を活用し、性労働者を標的にした事例が報告されている。