米インフレショックでビットコインが8万ドル割れ、強制決済リスクが顕在化

米労働省が発表したインフレ指標が予想を上回る結果となり、ビットコイン(BTC)は8万ドル台を割り込み、一時78,725ドルまで下落した。これにより、レバレッジ取引が集中する78,000ドル付近で、約10億ドル規模のロングポジションが強制決済されるリスクが高まっている。現時点では79,500ドルまで回復しているが、10月最高値126,000ドルからは約37%下落した状態だ。

78,000ドルと80,458ドルが焦点に

暗号資産データサイトCoinGlassによると、主要取引所におけるロングポジションの強制決済額は、ビットコインが78,000ドルを下回ると約10億ドルに達する可能性がある。一方、80,458ドルまで反発すると、逆にショートポジションの強制決済額が約6億4,000万ドルに上るという。この狭いレンジが、現在の相場の行方を左右する「戦場」となっている。

レバレッジ集中がもたらすリスク

暗号資産分析プラットフォームCryptoQuantのアナリストは、ビットコインが8万ドルを超えた上昇は投機的な需要によるものであり、78,000ドル付近にレバレッジロングが集中していると指摘。この水準を下回ると、マージン維持率を満たせなくなったポジションが一斉に決済され、売り圧力が急増する可能性がある。実際、CoinGlassのデータでは、78,000ドルを下回ると強制決済が加速し、スポット需要の低迷と相まって、相場の下落圧力がさらに強まる構図だ。

米機関投資家の需要も減退

CryptoQuantのデータによると、CoinbaseとBinanceの価格差を示す「Coinbase Bitcoin Premium Index」が4月下旬以降低下傾向にあり、米国の機関投資家による需要が冷え込んでいることが示唆されている。同社のアナリストJA Maartun氏は、このシグナルが「米国の機関投資家によるビットコイン需要の減退を示している」と解説。さらに、スポット型ビットコインETFからの資金流出が加速しており、投資家の利益確定売りも相場の重しとなっている。

今後の相場展開は?

アナリストらは、ビットコインが78,000ドルを下回るか、それとも80,458ドルまで反発するかに注目している。前者の場合、4月の回復がスポット需要に支えられていたかどうかが試される。後者の場合、インフレショックが相場の回復を完全に覆すかどうかが鍵となる。いずれにせよ、現在のレンジ相場が突破されるまでは、ボラティリティが高止まりする可能性が高い。

「78,000ドルと80,458ドルのレンジは、ビットコインの今後の方向性を決める重要な節目だ。この水準を抜けるかどうかで、強制決済の連鎖が起こるか否かが決まる。」
— 暗号資産アナリスト、CryptoQuant