ブラックロックの暗号資産ETF、過去最高の607億ドル運用も手数料は4200万ドル

米最大の資産運用会社ブラックロックは、2024年1-3月期に暗号資産関連のETFで4200万ドルの手数料収入を計上した。同社の暗号資産部門は、世界最大の資産運用会社としての地位を裏付ける新たな収益源として注目を集めている。

運用資産607億ドルに対し手数料シェアは1.75%

同社の暗号資産ETFは、2024年3月末時点で607億ドルの運用資産を保有。これはブラックロックのETF全体(2.4兆ドル)のわずか1.11%に過ぎないが、手数料収入のシェアは1.75%に達した。これは、暗号資産ETFがブラックロックの低コストETF群の中でも高い手数料率を維持していることを示している。

ブラックロックのETF全体の平均手数料率が年間17.2ベーシスポイントであるのに対し、暗号資産ETFは年間24.8ベーシスポイントと高い水準を維持。これは、暗号資産ETFが高い手数料率を持つ一方で、運用資産規模が小さいため、全体の収益に占める割合は限定的であることを示している。

手数料収入は価格変動に大きく依存

ブラックロックの暗号資産部門は、2024年1-3月期に187億ドルの市場下落により、運用資産が784億ドルから606億ドルに減少。これにより、手数料収入も価格変動の影響を受けやすい構造となっている。

同社の暗号資産ETFは、ビットコイン価格の変動に伴い手数料収入が大きく変動するため、今後も安定した収益確保が難しい状況が続いている。ブラックロックは、暗号資産ETFの普及が進む中で、運用資産の拡大と手数料収入の安定化を図る必要に迫られている。

主要3銘柄の運用状況

ブラックロックの暗号資産ETFのうち、主要3銘柄の運用状況は以下の通り。

  • IBIT(ビットコインETF):運用資産617億ドル、手数料率0.25%
    ブラックロックの暗号資産ETFフランチャイズの中核を担うフラッグシップ商品。米国で最も取引高の多いスポットビットコインETPとして知られる。
  • ETHA(イーサリアムETF):運用資産70億ドル、手数料率0.25%
    イーサリアムへの主要なエクスポージャーを提供するコア商品。フランチャイズの第二の柱として位置付けられる。
  • ETHB(ステークドイーサリアムETF):運用資産5億9450万ドル
    イーサリアムへのエクスポージャーに加え、ステーキング報酬も提供する高付加価値型商品。

これら3銘柄の合計運用資産は688億ドルに達し、3月末時点の暗号資産部門の運用資産を13.4%上回る規模となっている。

今後の課題と展望

ブラックロックの暗号資産ETFフランチャイズは、運用資産の拡大と手数料収入の安定化が課題となっている。現状では、暗号資産ETFの手数料収入は価格変動に大きく左右されるため、安定した収益を確保するためには、運用資産のさらなる拡大と新たな投資家の獲得が不可欠だ。

一方で、ブラックロックは、暗号資産ETFのフランチャイズを拡大することで、同社のデジタル資産事業の成長を加速させる戦略を採っている。今後、暗号資産市場の成熟とともに、同社の暗号資産ETF事業がどのように発展していくのかが注目される。

「暗号資産ETFは、ブラックロックにとって新たな収益源として期待されているが、現時点ではその規模は限定的であり、価格変動の影響を受けやすい構造となっている。今後、運用資産の拡大と手数料収入の安定化が課題となるだろう。」
— ブルームバーグ