フォルクスワーゲン(VW)グループは、28年に及ぶ Bugatti との歴史に幕を下ろす。1998年に VW グループの傘下に復帰した Bugatti は、2021年からポルシェが経営を引き継いでいたが、同社はこのたび投資家グループへの株式売却を発表した。

Bugatti は1909年、エットーレ・ブガッティによってフランスとドイツの係争地であったアルザス地方で設立された。第一次・第二次世界大戦を経て一時消滅したが、1980年代後半のスーパーカー・ブームにより、エアバスの前身企業であるアエロスパシアルと共同開発したカーボンファイバー製モノコックと F1 用 V12 エンジン(4基のターボチャージャー付き)を搭載した EB110 で復活を遂げた。しかし、マクラーレン F1 の登場や経済不況の影響で、1990年代半ばには再び消滅した。

現代の Bugatti は1998年、当時 VW グループの会長であったフェルディナント・ピエヒによって再興された。ピエヒは VW グループの技術力を世界に示すため、超省エネカー「XL1」と並行して、1000馬力を誇るミッドシップスポーツカー「Veyron」の開発を指示。手作りで製造された Veyron は、グランダマでもオペラに乗り付けられるほど扱いやすいドライブ性能を持ちながら、当時のスーパーカーを凌駕する性能を実現した。

Bugatti の象徴的モデル

  • EB110(1991年):カーボンファイバー製モノコックと F1 用 V12 エンジンを搭載した先駆的スーパーカー。しかし、経済不況とマクラーレン F1 の台頭により短命に終わった。
  • Veyron(2005年):1000馬力を超えるエンジンと手作りによる高級感で、超高級スポーツカーの新たな基準を築いた。
  • Chiron(2016年):Veyron の後継モデルとして登場。1500馬力の W16 エンジンを搭載し、最高速度 420km/h を達成した。

ポルシェによる Bugatti の株式売却は、VW グループの電気自動車へのシフトを反映した動きと見られている。今後 Bugatti は新たな経営陣の下で、どのような進化を遂げるのか注目が集まる。