ストラテジー社(ティッカーシンボル:MSTR)のマイケル・セイラー氏(マイケル・セイラー、創業者兼エグゼクティブチェアマン)は、5月27日に開催されたビットコイン2026カンファレンスの基調講演で、STRC(ストラテジー社の変動金利永久優先株式)が世界で最も急成長しているクレジット商品となったと発表した。
同商品はナスダックで額面価格100ドル前後で取引され、年間11.5%の配当を月次で支払う仕組みとなっている。セイラー氏は講演の冒頭で「世界は資本によって成り立ち、信用によって動いている」と述べ、ビットコインを「理想的な資本」と位置付けた。
同氏は、過去5年間におけるビットコインの年率換算リターンが約38%に達し、金、S&P500、不動産といった従来の資産クラスを大幅に上回るパフォーマンスを示したと強調。特に不動産に関しては「最悪のパフォーマンス」と断じた。
「STRCは9ヶ月で8.5兆円規模に成長し、世界最大の優先株式となった。これは、月次配当型の優先株式市場全体を上回る規模だ」
— マイケル・セイラー氏(ストラテジー社)
STRCは、ビットコインのボラティリティを排除しつつ、超過リターンを普通株式保有者に還元する仕組みとなっている。セイラー氏は、STRCを「投資家にとっての快適な乗り心地」と表現し、価格変動リスクよりも安定したキャッシュフローを求める投資家に向けた商品であると説明した。
伝統的なプライベートクレジットとの対比
セイラー氏は、STRCを従来のプライベートクレジットと対比させ、その構造的な優位性を強調した。伝統的なプライベートクレジットは、流動性が低く、透明性に欠け、手数料が高い一方で、発行体側の都合に合わせて構造化されることが多い。これに対し、STRCは以下の特徴を持つとした。
- 流動性が高い:取引が容易で、市場参加者が増加
- 透明性が高い:全ての取引データが公開
- 均質性がある:標準化された商品設計
- スケーラビリティに優れる:大規模な資金調達が可能
- アクセスしやすい:幅広い投資家が参加可能
- 手数料なし:発行体・投資家双方にとってコスト効率が高い
「我々は投資家にとって良い金融商品を設計した。これは、プライベート市場に内在するインセンティブの問題に対する構造的な解決策だ」と語った。
歴史的な文脈と将来展望
セイラー氏は、STRCのモデルが19世紀のアメリカ鉄道建設に類似していると指摘した。当時、優先株式は鉄道建設の資金調達の20〜30%を占めていたが、その後衰退した。同氏は、このモデルを21世紀にビットコインという新たな資産クラスで再構築したと述べた。
STRCの成長スピードは驚異的だ。発表された数字によれば、STRCは9ヶ月で8.5兆円規模に達し、これは月次配当型の優先株式市場全体を上回る規模となった。年間成長率は約350%に達し、4月の単月流入額を年換算すると38兆円に相当するという。流動性も5ヶ月で8倍に拡大し、セイラー氏は「これはまさにバズっている」と述べた。
「この成長には終わりが見えない。我々はSTRCを通じて、できるだけ多くのビットコインを購入し続ける」と強調した。