データセンター反対の住民怒り、議員4人が落選
米国の小都市で、データセンター建設に対する住民の反発が選挙結果に直結する事態となった。ミズーリ州フェスツス市(人口約1万2700人)では、6兆円規模のデータセンター計画が住民の強い反対を受け、市議会議員の半数が選挙で敗北した。
住民投票で議員4人が交代、新議員は透明性を重視
Politicoによると、データセンター計画の承認を巡る住民の反発は選挙参加率を押し上げ、反AIを掲げる新人議員4人が当選した。70歳のリック・ベルビルもその一人で、2018年に当選した8期議員ジム・ティンニンを40ポイント以上の差で破り、市議会議員に初当選した。
ベルビル議員は取材に対し、「市が住民の声を聞いていないと感じたから立候補した。特にこの取引の進め方が住民の怒りを招いた」と語った。新議員らは、透明性の向上を公約に掲げ、各議員が住民と直接連絡を取れるよう、公表された電話番号を持つ携帯電話を配布すると発表した。
残りの議員もリコール運動の対象に
次回の選挙までは残りの議員の任期だが、地元メディアによると、反データセンター派の住民は早期のリコールを目指す署名運動を展開中だ。反対派のメアリー・フェイクス氏は「来年4月まで待てない。これはデータセンター支持者全員への referendum(国民投票)だ」と述べた。フェイクス氏は、市長のリコールも視野に入れていると明かした。
データセンター建設への反発、米国全土に波及の兆し
今回の選挙結果は、米国各地の政治家に対し、データセンター建設への住民の反発が頂点に達していることを示す明確なメッセージとなった。フェスツス市の事例は、小規模な自治体でもデータセンター計画が選挙の争点となり得ることを浮き彫りにした。
関連記事:米国のデータセンター、今年の半数が開業延期か中止に
データセンターを巡る動向は、米国全土で加速している。今年に開業予定だった米国のデータセンターのうち、約半数が開業延期または中止の見通しとの報道もある。その背景には、電力不足や環境規制の厳格化、住民の反対運動の激化が挙げられている。
「データセンター建設はもはや技術的な問題だけではない。政治的、社会的な課題でもある」
— 専門家コメント
データセンターを巡る米国の現状
- 住民の反対運動の激化:電力消費や環境負荷への懸念から、多くの自治体で反対運動が活発化。
- 電力不足の深刻化:データセンターの電力需要が州全体の供給を圧迫し、他の産業や住宅への影響が懸念される。
- 規制強化の動き:一部の州では、データセンターの新規建設に対する規制が強化されつつある。
- 経済効果とのジレンマ:データセンターは雇用創出や税収増が期待される一方で、住民の反発が選挙結果に影響を与えるリスクも浮上。