米国の医療系メディア「STAT+」が10月22日に報じたところによると、ヤンセン(Johnson & Johnson)が開発中の炎症性腸疾患(IBD)治療薬JNJ-4804が、主要評価項目である臨床的寛解を達成できなかったことが明らかになった。

同社は、この結果を受けながらも、特定の患者層を対象とした後期臨床試験に進む方針を示した。JNJ-4804は、ヤンセンの既存薬であるTremfya(グセルクマブ)とSimponi(ゴリムマブ)を組み合わせた治療薬で、消化管の健康な組織を攻撃する免疫システムの誤作動を抑制することを目指している。

2022年の試験結果を受け注目集める組み合わせ療法

JNJ-4804は、2022年に実施された臨床試験の結果を受けて注目を集めていた。同試験では、疾患寛解率がほぼ2倍に向上するという有効性が示され、複数の製薬企業がIBD治療における組み合わせ療法の開発に着手していた。

今回のDUET研究では、JNJ-4804を潰瘍性大腸炎とクローン病の2つの主要なIBDに対して検証。その結果、単剤療法と比較して組み合わせ療法の方が優れた成績を示したが、主要評価項目である臨床的寛解の達成には至らなかった。

専門家「新たな治療アプローチの可能性」

「組み合わせ療法は、IBD治療において新たな可能性を秘めている。今回の結果は完全な成功とはいえないが、特定の患者層に対する有効性をさらに検証する価値はある」
—— IBD治療の専門家、米国消化器病学会(ACG)会長

ヤンセンは、今後もJNJ-4804の開発を継続し、後期試験でより詳細なデータを収集する方針。同社は、IBD治療の選択肢拡大に向けた取り組みを加速させるとしている。

出典: STAT News