ロブロックスで人気のゲーム「フォーセイクン」が、所有権を巡る法廷闘争の渦中にある。同作は、ロブロックスコミュニティで「Soul」として知られるピーター・イネス氏によって2020年に公開され、現在までに約50億回のプレイ回数を記録し、4万4000人以上のアクティブプレイヤーを抱える人気タイトルとなっている。

しかし、2025年にイネス氏に対する「個人的不正行為」の疑惑が浮上したことを受け、同氏はゲームの所有権を他の開発者に移譲することを検討。最終的に、ロブロックス開発者のイーライ・アダムス氏(通称Hytoko)とレイナ・バルボア氏(通称Basil)との間で契約が締結された。ところが、イネス氏の両親がこの契約を知った後、イネス氏が契約の無効化を主張し始めたという。

不正行為疑惑と所有権移譲の経緯

2025年に表面化したイネス氏への疑惑は、ストーキング、金銭の横領、未成年者への不適切な接触など多岐にわたり、GoogleドキュメントやYouTube動画、フォーラムなどで広く議論された。これらの主張の真偽は現時点で確認されていない。

疑惑が浮上した当初は、イネス氏が別の開発者にフォーセイクンの所有権を売却したが、その契約は数か月で解消された。その後、イネス氏はアダムス氏とバルボア氏(いずれもフォーセイクンの開発に既に関与していた)との間で、恒久的な所有権移譲について交渉を再開。アダムス氏が作成した移譲契約書は、解約条項を巡るやり取りの末に署名された。契約書の詳細は裁判記録で伏せられているが、アダムス氏とバルボア氏の弁護士によれば、契約はイネス氏の両親に売却を知られないよう仕組まれていたという。

契約内容には、イネス氏への35万ドルの支払い、売上の40%の分配、ゲームの金融口座の管理権が含まれていた。弁護士らは、この契約が「売却の事実を隠すための策略」だったと主張している。

新たな所有者が直面した課題

アダムス氏とバルボア氏はフォーセイクンの新たな所有者となったが、その移行は容易ではなかった。多くの開発者がフォーセイクンの売上分配金を受け取っておらず、その回収が大きな課題となった。ロブロックスでは、ゲーム開発に貢献した若者たちが「分配金」を受け取ることが一般的だが、その多くは非公式な合意に基づくもので、法的拘束力を持たないケースも少なくない。

アダムス氏とバルボア氏の弁護士によれば、契約締結から数週間後にフォーセイクンのプレイヤー数が100万人に達した際、イネス氏は「大喜びしていた」という。しかしその後、イネス氏の両親が弁護士を雇い、知的財産権の回復を求め始めたことが、新たな所有者に伝えられた。

裁判記録の伏せられた部分によると、契約に基づく支払いが、イネス氏がアクセスできなくなったロブロックス口座に送金されたことが明らかになっている。イネス氏はその後口座へのアクセスを回復したが、ロブロックスに対し口座の凍結を要請し、「提起される脅威の訴訟に備える」と述べたという。さらに、アダムス氏とバルボア氏の弁護士は、イネス氏が契約の機密情報を漏洩し、 burnerアカウントを使用して情報を拡散したと主張している。

最新の動向と今後の展望

3月には、イネス氏が正式に移譲契約の無効化を主張したことで、法廷闘争が本格化。現在、ロブロックス社は口座凍結を解除したが、所有権を巡る争いは依然として続いている。同社はコメントを控えているが、関係者によれば、この件がロブロックスプラットフォーム上のゲーム開発者間の契約問題に与える影響についても注目が集まっている。

出典: Aftermath