故俳優ヴァル・キルマー(享年65)のAIを活用した映画出演を巡り、その娘でミュージシャンのメルセデス・キルマーが技術の受容を強く主張した。

メルセデスは米東部時間10月8日放送の「ザ・トゥデイ・ショー」に出演し、2025年4月に死去した父の遺影を用いた映画「As Deep as the Grave」への反応について見解を述べた。同作はキルマーが2020年に出演契約を交わしたものの、病状悪化により撮影に参加できなかった作品だ。

AI技術の進化と業界への影響

キルマーは喉頭がんとの長期闘病中、AI音声技術「Sonantic」を活用して2022年の映画「トップガン マーヴェリック」に出演。この経験を通じ、AIが業界に与える影響について二極化した反応があるとメルセデスは指摘する。

「当初は病状の制約を乗り越える手段でしたが、やがて父は『業界の先駆けになれる』と前向きに捉えるようになりました」
「業界の地位が不安定な人々はAIを脅威と感じていますし、若手俳優やミュージシャンも同様です。私もミュージシャンですが、多くの知人がこの技術を恐れています」

その一方で、ベテラン俳優や業界関係者からは、AIが俳優の知的財産権保護につながるとの肯定的な意見も寄せられているという。

「技術と向き合う時」

メルセデスは「私たちはこの技術と向き合わなければなりません。回避するのではなく、権利関係を前もって整備することが重要です」と強調。キルマーの遺産管理団体は「As Deep as the Grave」の監督に対し、故人の声と映像の使用許諾を与えているが、現在も公開日は未定となっている。

ヴァル・キルマーは「トゥームストーン」「トップガン」「バットマン フォーエヴァー」などの代表作で知られ、ロバート・デ・ニーロやアル・パチーノと共演した「ヒート」でも高い評価を受けた。

出典: The Wrap