ラスベガスで開催されたシネマコン2024。ハリウッドスターや監督たちが拍手を浴びる中、スタンディングオベーションで称賛された人物がいた。伝説の映画監督、スティーブン・スピルバーグだ。
スピルバーグ監督は、ユニバーサルが2027年から劇場上映後のプレミアムVOD配信までの期間を17日から45日に延長する方針を発表したことを高く評価。ラスベガスのステージ上でこう述べた。「これは、最高の映画鑑賞体験を支援する企業としての評判をさらに高めるものです」と称賛した上で、さらに続けた。「ですが、今日私は欲張りになります。60日、90日、120日といった期間が戻ってくるべきです!」
果たしてそれが実現するかは不透明だが、わずか1年前であれば、45日間の劇場独占上映が業界標準として復活することは不可能と思われていた。昨年のシネマコンでは、シネマ・ユナイテッドCEOマイケル・オリアリーがスタジオに対し、45日間を業界標準とするよう呼びかけていたが、当時はスタジオ側が明確なコミットメントを拒否。映画館側も不満を抱えていた。
当時、アマゾンMGMの国内配給責任者ケビン・ウィルソンは、興行的に失敗した作品が短期間で劇場から撤退し、残りの上映期間を棚上げされるリスクを懸念していた。「映画が劇場に入った後、3週間で上映館が大幅に減り、残りの期間を棚上げされるのは避けたい。スタジオと興行主双方にとって機能する中間地点を見つけたいと考えています」と語っていた。
その「中間地点」が、45日間だったのかもしれない。2026年のシネマコンでは、ユニバーサルだけでなく、全てのスタジオが少なくとも45日間の劇場独占上映期間を維持することを再確認したのだ。
映画館関係者は、ザ・ラップに対し、スタジオが上映期間を延長する意向を示したことで、2026年と2027年の興行成績がさらに向上すると語った。一方で、小規模な映画館では、大作とインディーズ系ファミリー映画の両立に苦心しつつも、上映スケジュールの工夫を強いられている。
「劇場独占上映期間を巡る対立は過去のものとなりました。これはスタジオと興行主の関係における大きな転換点です」と、ザ・ボックスオフィス・カンパニーのシニアVP兼編集長、ダニエル・ロリアは指摘する。
アマゾンMGMの歴代最大ヒット作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は現在も上映中で、興行収入は国内2億8500万ドルを突破し、さらに数週間は劇場に残る見込みだ。同スタジオは今後も作品ごとに上映期間を柔軟に調整する方針だが、業界関係者は「この流れは業界全体の健全化につながる」と期待を寄せている。