米国で医療用マリファナの法的地位見直しが進んでいる。トランプ大統領は11日、向精神薬としての可能性を持つ幻覚剤の規制見直しを目的とした大統領令に署名する中、閣僚らに対し「マリファナの再分類を急げ」と指示した。特に保健福祉長官ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏に向け、「遅れている。必ず実行しろ」と発言したとされる。
司法長官代行のトッド・ブランシュ氏は9日、医療用マリファナを規制物質法(CSA)の最も厳しい分類であるスケジュールIから、処方薬と同等のスケジュールIIIへ移行する命令に署名した。これにより、医療用マリファナの研究が促進され、州が認可した供給業者は連邦税の事業費控除が可能となる。ただし、連邦政府によるマリファナの全面合法化には至らず、FDAによる特定製品の承認が必要だ。
スケジュールIII移行の影響
- 研究促進:マリファナの安全性と有効性に関する研究が加速。医師がより信頼できる情報を得られるようになる。
- 税制優遇:州が認可した医療用マリファナ供給業者は、連邦所得税の事業費控除が可能に。業界にとって大きな経済的恩恵となる。
- 連邦規制の現状維持:マリファナの娯楽目的使用は依然として違法。州レベルの医療用合法化は継続されるが、連邦法上の扱いは変わらず。
ブランシュ氏は声明で「司法省はトランプ大統領の公約である医療選択肢拡大に向け、取り組みを進めている。この再分類により、患者へのより良いケアと医師への信頼性の高い情報提供が可能となる」と述べた。
一方で、この命令はトランプ大統領が昨年12月に指示した「マリファナをスケジュールIIへ移行させる」という包括的な再分類よりも範囲が狭い。当時、大統領は当時の司法長官パム・ボンディ氏に対し、「連邦法の許す限り最も迅速に規制見直しを完了せよ」と指示していた。
ブランシュ氏によると、マリファナ全般の再分類はDEAが6月29日に開始予定の公聴会後に実施される見込みだ。DEAのテリー・コール長官は「トランプ大統領とブランシュ司法長官代行の指示の下、DEAは行政手続きを迅速に進めている。これまで規制が不十分だった分野に一貫性と監督をもたらす」と述べた。
今回の再分類は、州が認可した医療用マリファナを対象としており、供給業者はDEAへの登録が義務付けられる。現在、40州が医療用マリファナを合法化しており、ブランシュ氏は「州の規制システムは、麻薬の横流れ防止や製品安全性の確保、記録管理、施設検査など、連邦の登録・記録要件の目標を達成するためのインフラが整っている」と指摘。その上で「州の認可システムを連邦の登録枠組みに組み込むことが、医療用マリファナに関するCSAの目標達成に最も効果的で効率的な手段だ」と述べた。