米国のドナルド・トランプ前大統領による連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長への報復的な捜査が、司法省によって正式に打ち切られた。同省は5月24日、FRB本部のワシントンD.C.における大規模改修工事に関するパウエル議長への刑事捜査を終了すると発表した。

米首都圏担当のジャン・ピアロ米連邦検事はX(旧Twitter)で「本日、FRB監察総監に対し、数十億ドルに上る納税者負担の改修費用超過について徹底調査を要請した。これを受け、当事務所は独自の捜査を終了するよう指示した」と述べた。

パウエル議長の任期は5月に満了する見通しで、トランプ氏は後任としてケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名していた。しかし共和党のトム・ティリス上院議員が、捏造されたパウエル議長への捜査を理由にウォーシュ氏の承認手続きを阻止すると警告していたことから、人事は暗礁に乗り上げていた。

今回の捜査打ち切りは、トランプ氏の報復人事が事実上頓挫したことを示すと同時に、FRBの独立性が再確認される結果となった。今後は監察総監による独立調査が進められ、改修費用の透明性が問われる見込みだ。