最高裁がルイジアナ州 v. カレー事件で判決を発表
長らく注目を集めてきた最高裁判所のルイジアナ州 v. カレー事件(発音は「ウェイレイ」とされた)の判決がついに下された。判決までに5ヶ月以上を要した背景には、共和党主導の選挙区改定を阻止するための意図的な遅延があったのか、議論が巻き起こっている。
判決までの5ヶ月の経緯
2023年10月の口頭弁論から判決日まで5ヶ月以上が経過した。この間、共和党議員による選挙区改定が進むのを防ぐため、反対派が故意に審議を引き延ばしていたのではないかという見方が浮上していた。しかし、判決文の作成過程を分析すると、その可能性は低いと専門家は指摘する。
アリト最高裁判事による多数意見は、反対意見への言及がわずか数段落にとどまる異例の内容だった。通常であれば、意見のやり取りに多くの時間を要するが、今回はそのような形跡がなかった。また、補足意見もなく、6人の裁判官が一致した判決だったとみられる。アリト判事が会議直後に草案を回覧し、カガン、ソトマイヨール、ジャクソンの3判事との間で大きな意見の相違がなかった可能性が高い。
5ヶ月という審議期間は、90ページに及ぶ判決文としては異例ではない。しかし、一方に迅速な判決を求める圧力があった場合、他方が急ぐ必要がない状況では、審議が長引くこともあり得る。なお、モリー・ヘミングウェイ氏の新著で指摘された「ドブス判決の反対派がリーク後に判決の早期公表を拒否した」という主張については、今後のリーク情報を待つ必要がある。
アレン v. ミリガン判決との関連性
2023年6月に下されたアレン v. ミリガン判決では、ロバート最高裁長官とカバノー判事がアラバマ州の選挙区改定に反対する判決を下し、アファーマティブ・アクション廃止の影響を和らげる意図があったとの見方があった。しかし、わずか3年後の今回のルイジアナ州 v. カレー事件では、最高裁はアファーマティブ・アクション廃止を根拠にミリガン判決を事実上覆す判断を示した。
表面的には、アリト判事とロバート長官の立場に隔たりはないように見える。しかし、ロバート長官は判例変更を避けるため、Section 2の無効化を望まなかった可能性がある。ロバート長官は、判例を覆す判決がどれだけの割合を占めるかを熟知しているとされる。
選挙区改定の非対称性が解消
今回の判決により、これまで民主党に有利に働いてきた選挙区改定の非対称性が解消された。2026年の中間選挙では、この判決がどれほどの影響を与えるかは不透明だが、2030年の国勢調査後の選挙区改定に大きな影響を及ぼすと専門家は予測する。
今後、黒人やヒスパニック系有権者が、勝敗が予め決まっている選挙区から解放されることで、政治家の選挙戦略が変化する可能性がある。少数派有権者が共和党の予備選挙で戦略的に投票し、接戦レースに影響を与えるシナリオも考えられる。最高裁判決後の予測は慎重に捉えるべきだが、制度は変化に適応する力を持っている。
本稿はReason.com掲載記事の翻訳・再構成である。