米国務省が公式文書で、イラン戦争への米国参戦がイスラエルの要請によるものだったと認めた。この事実が明らかになったことで、ホワイトハウスやドナルド・トランプ前大統領の主張と真っ向から対立する内容となっている。
同文書は2月11日に開催された米イスラエル首脳会談後の2月13日に、米国務省法律顧問のリード・D・ルービンスタイン氏によって作成された。文書には「米国はイスラエルの同盟国としての集団的自衛権、および米国自身の固有の自衛権を行使し、この紛争に関与している」と明記されている。
同文書は国連安全保障理事会に提出された複数の書簡を根拠としており、米国の参戦がイスラエルの要請によるものであることを裏付ける内容となっている。
ホワイトハウスとトランプ氏の主張との矛盾
しかし、この公式認定はホワイトハウスやトランプ前大統領の主張と真っ向から対立する。トランプ氏は先週、SNS「トゥルース・ソーシャル」で「イスラエルがイランとの戦争を私に勧めたことはない」と主張しつつも、「10月7日の結果と、イランが核兵器を保有することへの私の一生にわたる反対意見が、この戦争を引き起こした」と発言していた。
これに対し、米国の参戦は2月11日にホワイトハウスの Situation Room で開催された米イスラエル首脳会談後に決定されたと、ニューヨーク・タイムズ紙が先月報じている。同会談にはトランプ前大統領、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、複数の米イスラエル高官が出席していた。
ネタニヤフ首相の影響力と米軍の反対
同紙によると、米国の参戦はネタニヤフ首相の直接的な影響力とその後の圧力キャンペーンによって引き起こされたとされる。米軍高官らはネタニヤフ首相のイラン攻撃計画が「現実離れしている」と警告していたが、トランプ前大統領はすでにテヘランの神権体制打倒に意欲を燃やしていたという。
ネタニヤフ首相の影響力は現在も続いているとみられる。先月、トランプ前大統領はイスラエル紙「ザ・タイムズ・オブ・イスラエル」に対し、イラン戦争の終結はイスラエル首相と「相互の合意」で決定すると発言していた。しかしイスラエルは和平交渉を困難にしており、脆弱な停戦合意をたびたび破り、周辺諸国を無差別に爆撃し続けている。
戦争の成果と犠牲
現時点で、この戦争がもたらした成果ははっきりしていない。米国とイスラエルは合わせて数千人のイラン市民を殺害し、イランの民間インフラを破壊したが、体制の転覆には至っていない。むしろイランの体制はより強硬化しているとの指摘もある。
また、この戦争により世界的な物価高騰が引き起こされ、国際関係が緊迫化。特に米国と西半球の長年の同盟国との関係が悪化した。米国の納税者には1日あたり10億ドル以上(総額600億ドル超と推定)の負担が生じ、米国民の生活費は上昇した。さらに、米国ではMAGAイデオロギーへの政治的拒否感が高まり、トランプ前大統領の支持率は低下の一途をたどっている。