米国ではここ数週間、中絶薬を巡る法廷闘争が激化している。きっかけはルイジアナ州による食品医薬品局(FDA)への提訴だ。同州は昨年、中絶薬ミフェプリストンのオンライン処方・郵送を禁止するようFDAに求めた。これにより、全米で中絶薬の処方方法が注目されることとなった。
5月1日、米第5巡回区控訴裁判所はルイジアナ州の主張を一部認め、オンライン処方・郵送の中絶薬の提供を一時的に差し止めた。しかし、保守派の反中絶派判事として知られるサミュエル・アリート最高裁判事は、最高裁が正式に審理するまでの間、この差し止めを一時的に解除する決定を下した。これにより、中絶薬のオンライン処方・郵送は再び可能となった。
最高裁は現在、第5巡回区控訴裁判所の判断を少なくとも木曜午後5時まで保留することを決定。今週中にも正式な判断が下される可能性があり、中絶薬へのアクセスが大きく変わるかもしれない。
中絶薬アクセスを巡る法廷の攻防
専門家によると、ルイジアナ州の主張は「主権侵害」に基づくものだという。同州は、州内の患者がオンラインで中絶薬を入手し、州の禁止令を回避していると主張。これにより、州が被害を受けていると訴えている。
一方で、中絶薬を製造する製薬会社2社はこれに反発。州が主張するような「主権侵害」は存在せず、数年にわたり実施されてきた政策を突然禁止する理由はないと主張している。同社らは、最高裁が現状維持を続けるよう求めている。
最高裁の判断は未知数
最高裁の判断は依然として不透明だ。これまでの審理では、裁判官からの質問に基づく「茶葉占い」的な推測が行われてきたが、今回のケースではまだ口頭弁論すら行われていない。このため、中絶薬のアクセスに関する今後の展開は予断を許さない状況だ。
今後の展望
今週中にも最高裁が判断を下す可能性があり、中絶薬のオンライン処方・郵送が再び制限されるかどうかが注目される。また、この判断が全米の他の州の政策にも影響を与える可能性があるため、引き続き動向を注視する必要がある。