米国バージニア州の民主党系司法長官、ジェイ・ジョーンズ氏が州の選挙区割り問題で米国最高裁判所に介入を求めた。この動きは、民主党にとって逆に不利な結果を招く可能性が高いと専門家らは指摘する。
ジョーンズ氏は先週、州最高裁が無効とした州憲法改正案の是非について、連邦最高裁に審理を求める書簡を提出した。同改正案は今年初めの住民投票で承認され、民主党に有利な議席配分が行われるはずだった。しかし州最高裁は、憲法改正の是非を直接問う住民投票がなかったと主張し、改正前の選挙区割りを復活させた。
州の憲法解釈権を巡る議論
ジョーンズ氏の主張は、連邦最高裁が州の憲法解釈に介入すべきだとする「独立州議会理論(ISLD)」に基づく。しかしこの理論は、州の選挙ルールに連邦裁判所が口出しすべきでないとの立場から、民主党にとっても危険な先例となる可能性がある。
専門家によれば、連邦最高裁が州最高裁の判断を覆せば、民主党が今後同様の選挙区割り改正を目指す際にも、連邦裁判所が介入する口実を与えることになる。逆に、共和党が選挙結果の否定を求めた場合にも、民主党が多数を占める州最高裁の判断を連邦裁判所が覆すことが可能となり、選挙の安定性が損なわれる恐れがある。
民主党にとってのリスク
ジョーンズ氏の主張は、州最高裁の判断が「Foster v. Love(1997年)」の解釈を誤ったとの指摘に基づくが、これは些細な問題とされる。しかし、同氏が提唱するISLDの適用は、州の選挙ルールに連邦裁判所が介入する危険な前例となり得る。
民主党はこれまで、共和党による選挙区割り操作(ゲリマンダー)に対抗するために州レベルで改革を進めてきた。しかし今回のジョーンズ氏の動きは、逆に民主党の選挙戦略を脆弱にする可能性があるとの見方が強い。
「ジョーンズ氏の主張は、民主党にとっても裏目に出る可能性が高い。州の選挙ルールは州自らが決めるべきで、連邦裁判所が介入する余地はない。」
— 政治評論家、マイケル・トンプソン氏
今後の展望
連邦最高裁がジョーンズ氏の申し立てを受理するかは不透明だが、仮に受理されれば、全米の選挙ルールを巡る議論が再燃する可能性がある。民主党は今後、州レベルでの選挙改革を進める一方で、連邦レベルでの介入を防ぐための法的戦略を練る必要に迫られるだろう。