米司法省は8日、現役の米陸軍特殊部隊准尉であるガノン・ケン・ヴァン・ダイク被告(38)を、機密の軍事作戦情報を不正利用して予測市場で40万ドル超の利益を得たとする容疑で起訴した。同作戦はニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領とその妻シリア・フローレスの逮捕を目指す「オペレーション・アブソリュート・レゾルブ」とされる。

検察によると、ヴァン・ダイク被告は作戦に関する非公開情報にアクセスできる立場にあり、公表前に予測市場「Polymarket」で取引を行った疑い。同市場は政府機関からの情報提供を受けており、今回のケースは暗号資産ベースの予測市場におけるインサイダー取引の実態を浮き彫りにするものとなった。

予測市場の信頼性に揺らぎ

Polymarketは声明で、機密情報に基づく取引を検知し、司法省に通報したことを明らかにした。同社は「市場の公正性を維持するため、不正行為を厳しく監視している」とコメント。しかし、今回の事件は予測市場の透明性と信頼性に対する懸念を招いている。

トランプ前大統領は7日の発言で、予測市場を「世界がカジノと化している」と批判し、「好ましくない」と発言。概念的な問題を指摘したが、具体的な規制強化には言及しなかった。同氏の発言は、予測市場の legitimacy(正当性)に対するさらなる疑問を投げかける結果となった。

政府高官によるリークの可能性も

米メディアによると、マドゥロ作戦の情報は国家安全保障関係者の極めて限られたグループで共有されていた。上院議員クリス・マーフィー氏は「ホワイトハウス関係者や機密情報にアクセスできる人物による取引の可能性が高い」と述べたが、ホワイトハウスは職員による不正行為を否定している。現時点では推測の域を出ておらず、具体的な関与は明らかになっていない。

司法省の主張と今後の展開

司法省の発表によると、ヴァン・ダイク被告は「政府の機密情報の不正使用」「非公開情報の窃盗」「商品詐欺」「電信詐欺」「不正な金融取引」の5つの罪で起訴された。同省は「起訴は容疑であり、有罪が確定したわけではない」との留保を付けている。

今回の事件は、予測市場が機密情報のリークにいかに脆弱かを示すと同時に、暗号資産市場との関連性が注目される。Polymarketはダウ・ジョーンズと提携し、主要メディアで同市場のデータが活用される一方で、定義の混乱や決済方法の問題が再三指摘されている。

「今回の事件は、予測市場の公正性を維持するための監視体制の重要性を示している。我々は引き続き不正行為を厳しく取り締まっていく」
— 米司法省広報担当者