「赤ボタンを押すか、青ボタンを押すか」——この単純な問いが、SNS上で再び議論を巻き起こしている。作家のティム・アーバン氏が先週この問題を提起し、YouTube界の巨人MrBeast氏が「囚人のジレンマ」的な思考実験を設定したことで、さらに注目を集めた。
MrBeast氏の設定はこうだ。地球上の全員が赤か青のボタンを押す非公開投票を行う。青ボタンを50%以上の人が押せば、全員が生存する。しかし青ボタンを押す人が50%未満の場合、赤ボタンを押した人だけが生存する。あなたはどちらを押すだろうか?
MrBeast氏の投稿によると、多くの人が青ボタンを選択し、その結果全員が生存したという。しかし、この選択は実は間違っていたのではないか、と同氏は指摘する。
もし全員が赤ボタンを押せば、全員が生存する。これは、青ボタンを押す人が「他の多くの人が青を選ぶだろう」と賭けているのに対し、赤ボタンを押す人は「他の人も合理的に判断するだろう」と信じているからだ。青ボタンは、他人の選択に自分の生存を委ねる「危険な賭け」と言える。
さらに、80億人の世界で、あなたの一票が結果を左右する確率は極めて低い。だからこそ、赤ボタンを押すことで「自分の生存を確実に保証する」ことこそが、最も合理的な選択なのだ。これは、米誌『リーズン』編集長キャサリン・マングー=ウォード氏が米大統領選で投票しない理由と同じロジックに基づく。投票の影響力は限りなく小さく、結局のところ「自己満足」に過ぎないからだ。
青ボタンを押す人は「赤ボタンを押す人は利己的だ」と非難するが、実はその逆。赤ボタンこそが、個人の利益と社会全体の利益を一致させる最適な選択なのである。