米カリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所のダナ・サブラウ判事は1月28日、バレエダンサーのダスティ・バトン氏と自動車ブランド「Button Built」のミッチェル・バトン氏が、ミッチェル・ロプレスティ被告に対して起こした名誉毀損訴訟(Button v. Lopresti)に関し、改正された訴状の主張を事実として認め、被告の申し立て却下を求める動議を棄却する判断を示した。
ダスティ・バトン氏は世界的に著名なバレエダンサーで、2021年12月にInstagramアカウントを削除するまで約50万人のフォロワーを獲得していた。ミッチェル・バトン氏も自動車デザインや製作を手掛ける「Button Built」のブランドで同様に50万人のフォロワーを持ち、同じく2021年にサイバー暴力や嫌がらせを理由にアカウントを削除していた。
2021年7月、バトン氏らはネバダ州の連邦地方裁判所で1億3,100万ドルの損害賠償を求める民事訴訟を提起された(以下「ネバダ訴訟」)。この訴訟は「Good Morning America」などのテレビ番組や多数のメディアで報道され、ソーシャルメディアでも拡散された。しかし、バトン氏らは逮捕・起訴・拘留されることはなかった。
2025年1月6日、バトン氏らはネバダ訴訟でサマリージャッジメント(即決判決)の申し立てを行い、その内容をInstagramアカウント「@WeTheButtons」に投稿した。被告はこのアカウントをフォローしていた。
同年1月27日、被告は第三者Instagramアカウント「@trail.huntr」が投稿したミッチェル・バトン氏の自動車作品に関する写真に対し、「こいつら、とんでもない犯罪を犯して刑務所に入ってる」「ろくでもない人間だ」とコメントを投稿した。この投稿は322回以上シェアされ、被告のコメントは数十万人に届いたとされる。バトン氏らは、被告が自身の主張が虚偽であることを知りながら、あえて拡散させ、バトン氏らの名誉回復やビジネス関係の修復を妨害する意図があったと主張している。
被告のコメントは「実際の悪意(actual malice)」に基づくもので、フォロワーの一人が「人身売買で刑務所に入ってる」と発言するなど、さらなる虚偽情報の拡散を助長した。バトン氏らはコメントに反論したが、被告は直後にコメントを削除し、バトン氏らをブロックした。これにより、バトン氏らは名誉回復やビジネス関係の修復が困難になり、既存・将来のビジネス機会を失ったと主張している。
バトン氏らは「ビジネス、キャリア、名誉、経済、精神的健康、生活全般に計り知れない損害を被った」としながらも、被告の発言により現在も被害が続いているとしている。
被告側は、バトン氏らが「公的人物」に該当するため、名誉毀損の成立には「実際の悪意」の立証が必要だと主張したが、裁判所は改正された訴状の主張を事実として認めた。