2026年4月、テクノロジー業界で再び大規模な人員削減の波が押し寄せている。しかし、企業が望むような即時の効果は得られない可能性も指摘されている。最新の動向をまとめた。

米国従業員の7%に買収金を提示するマイクロソフト

マイクロソフトは新たなレイオフを発表していないが、同社は「買収金(buyout)」と呼ばれる形で人員削減を進める方針だ。ファスト・カンパニーの報道によると、同社は2026年6月までに米国従業員の7%に対し、自発的な退職を促すための財務インセンティブを提供する見込みだ。

買収金とは、従業員に退職を促すための金銭的なインセンティブを提供する制度で、企業はレイオフを回避しつつ、人員削減とコスト削減を達成できる。退職を受け入れた従業員は職を失うが、一般的に高額な退職金を受け取ることができる。この制度は通常、定年が近い従業員を対象とすることが多い。

買収金導入の背景には、AIトレーニングやサービス向けのデータセンター拡大に資金を振り向けるためのコスト削減がある。

メタ、従業員の10%に相当する8,000人をレイオフ

一方、メタは従業員に選択肢を与えず、強制的なレイオフに踏み切った。同社は5月20日に従業員約8,000人(従業員全体の約10%)をレイオフすることを発表した。さらに、現在募集中の6,000のポジションも廃止される見込みだ。

メタは直近のAI関連投資で1,350億ドルを投じており、その多くはAIシステム運用に必要な大規模データセンターの建設に充てられる。ファスト・カンパニーによると、今回のレイオフはAIへの多額の投資を相殺し、業務効率を向上させる狙いがあるという。

ナイキ、技術職1,400人を削減

シューズ大手のナイキも2日連続で人員削減を発表した。同社は従業員の約2%に相当する1,400人をレイオフする方針で、その大半は技術職が対象となる。ただし、ナイキはAIがレイオフの原因ではないとしている。

同社は「今すぐ勝つ(Win Now)」戦略の一環として、製造の近代化、サプライチェーンの統合、技術部門の再編を進めている。レイオフはグローバルで実施され、北米も対象となる見込みだ。

スナップ、グローバル従業員の16%を削減

4月14日には、スナップチャットを運営するスナップがグローバル従業員の16%に相当する約1,000人のレイオフを発表した。さらに、現在空席となっている300のポジションも廃止される見込みだ。

「テック業界の人員削減は、AIへの投資を加速させるためのコスト削減策の一環だ。しかし、即時の効果は限定的で、業界全体の構造的な変化が求められている。」
— 業界アナリストのコメント