ドイツの自動車修復専門企業CarTech Knowledgeが2021年から2023年にかけて完全修復を実施した190E Evolution II(シャーシNo.283)が、モナコで開催されるRM Sotheby’sオークションに出品される。同車はスイスで新車登録された後、1990年から2006年にかけて79,000km以上を走行した実働車であり、修復後も80,598km(50,081マイル)を維持している。

修復作業では、2.5L直列4気筒エンジン(コスワースと共同開発)のオーバーホールを実施。新しいインジェクター、ラジエーター、オイルクーラー、デファレンシャルの交換も行われた。ボディカラーはブルーブラックメタリックに再塗装され、DTMホモロゲーションモデルとしての特徴であるアジャスタブルサスペンションやボディキット、大型リアウイングが装備されている。

DTMホモロゲーションの象徴

190E Evolution IIは、1990年代初頭のDTM(ドイツツーリングカー選手権)参戦に向け、わずか502台のみが生産されたモデルだ。232馬力を発揮するエンジンは、当時ライバルだったBMW E30 M3 Evolution II(220馬力)と競り合う性能を誇った。アグレッシブなエアロパーツと共に、レースシーンで活躍した実績を持つ。

同車の落札予想価格は30万5,000~41万ドル(約4,500万~6,100万円)。メルセデスがかつて手掛けた4気筒エンジン搭載車としての価値が再評価される中、コレクターの間で注目を集めそうだ。

現代のC63との対比

近年、AMGはハイブリッド技術を採用したC63で4気筒エンジンを復活させたが、ファンからの評判は芳しくなく、発売からわずか3年で生産終了が決定した。一方で、190E Evolution IIはレースシーンで活躍した実働車であり、その歴史的価値は計り知れない。今回のオークションは、自動車史に残る名車の一つが市場に再び姿を現す機会となる。

詳細については、RM Sotheby’s公式サイトを参照されたい。

出典: CarScoops