ポルシェ911のクラシックモデルは、自動車文化における不朽の名作として称賛されてきた。その特徴的なデザインとリアエンジンレイアウトは、多くの愛好家を魅了し、世代を超えて愛され続けている。しかし、その評価が万人に共有されているわけではない。

カルマー・オートモーティブの創業者であるヤン・カルマー氏は、911のクラシックモデル、特に964世代に対する率直な批判を展開している。同氏は、若い頃に憧れた911を実際に手に入れた人々が、その運転性能に失望するケースが多いと指摘する。

「クラシックな911はクソ同然です。若い頃、私たちの多くは911を手に入れることを夢見ていました。当時は手が届きませんでしたが、今では多くの人が手に入れられるようになりました。しかし、実際に手に入れて運転してみると、その実態に落胆するのです。まるで骨折した足で運転するようなものです。ゴルフだって911よりまともに走るのに、911のヘッドライトはゴルフと同じ値段ですから」

カルマー氏は、空冷911への愛着が欠点を見えにくくしている可能性を指摘する。現代の車両と比較すると、往年のスーパーカーでさえも運転のしやすさやバランス感覚に劣ることが多い。ノスタルジーにとらわれた評価が、実際の性能とのギャップを生んでいるのかもしれない。

同氏は、911のクラシックモデルを現代の基準に合わせて改良することの難しさを、自身の経験から語る。カルマー・オートモーティブは、911のレストアやカスタマイズを手掛ける一方で、独自の改造車「7-97」を開発した。この車両は、伝説的な耐久レーサーであるトム・クリステンセン氏のために製作されたものだが、カルマー氏は964のシャシーの欠点を克服するために、思い切った改造を施した。

同社は現在、993シャシーをベースに959へのオマージュカーを開発中だ。このプロジェクトもまた、カルマー氏が911のクラシックモデルに対する自身の見解を具現化したものと言える。

カルマー・オートモーティブの歩み

  • 創業当初:初期の911モデルのレストアから事業を開始。
  • 拡大路線:ラリー仕様車やカスタムレストモッドの製作に進出し、オリジナルのスペックを超える改造を手掛ける。
  • 代表作「7-97」:964をベースに、現代の運転性能に対応したスーパーカーとして開発。964のシャシーの課題を克服するため、大胆な改造を実施。
  • 現在のプロジェクト:993シャシーをベースに、959へのオマージュカーの開発を進行中。

カルマー氏の発言は、911のクラシックモデルに対する過剰な評価に一石を投じるものだ。同氏の率直な意見は、911愛好家にとっては耳の痛いものかもしれないが、現代の視点から見た911の実像を浮き彫りにしている。

出典: CarScoops