米ABCは14日、連邦通信委員会(FCC)が同社の番組「ザ・ビュー」に対して行った調査に対し、第一修正権(言論の自由)の侵害を理由に反発する法廷書類を提出した。
ABCは書類の中で、FCCが「ザ・ビュー」の政治的内容を理由に規制を強化したことで、表現の自由が萎縮する「chilling effect(表現の萎縮効果)」が生じたと主張。「特定の見解に対する反感が、規制プロセスを通じてその見解を抑圧する正当な理由にはならない」と強調した。
FCCは2月に放送された民主党上院議員候補ジェームズ・タラリコ氏(テキサス州)へのインタビューを巡り、番組が「公平な時間配分ルール(equal time rule)」の適用除外対象かどうかを調査。ABC傘下のヒューストン局KTRK-TVに対し、改めて除外申請を求める命令を出した。
ABCはこれに対し、「前例のない、委員会の権限を超えた、言論の自由と政治的議論の促進という目標に反する措置」と批判。2002年に同番組が受けた除外は過去24年間一度も見直しを求められなかった事実を挙げ、FCCの対応を非難した。
さらにFCCは2週間前、深夜トーク番組司会者ジミー・キンメル氏によるトランプ大統領とメラニア夫人を揶揄する発言を受け、ABC傘下の8局の免許更新審査を通常より前倒しで実施する方針を発表。ABCの今回の法廷戦略は、こうした圧力が背景にあるとみられる。
2024年12月には、トランプ前大統名誉毀損でABCが1600万ドルの和解金を支払ったが、ABCはもはやトランプ政権に屈する姿勢は見せない構えだ。同社はジョージ・W・ブッシュ元大統領政権で法務長官を務めたポール・D・クレメント氏を最高裁専門の弁護士として起用し、長期的な法廷闘争に備えている。