米国の食料品店では毎年約400万トンの食品が廃棄されている。その大半は生鮮食品であり、需要予測が難しいため、在庫管理が課題となっている。従来は人手による見積もりが主流だったが、AI技術を活用したスタートアップ「Afresh」がこの問題を解決しつつある。
Afreshは本日、3400万ドルの新規資金調達を発表した。リード投資家はJust ClimateとHigh Sage Ventures。同社のシステムは、食品ロスを最大25%削減する実績を上げており、全米1万2500以上の店舗で導入されている。
AIが生鮮食品のロスを劇的に削減
Afreshの共同創業者であるMatt Schwartz氏とNathan Fenner氏は、スタンフォード大学のMBA在学中に食品ロスの問題に着目した。当時、多くの食料品店では生鮮食品の在庫管理に印刷されたスプレッドシートを使用しており、人手による見積もりに依存していた。
「最終的にはペンと紙のプロセスだった」とSchwartz氏は語る。彼らはこの課題に対し、AIを活用したソリューションを開発。生鮮食品のロス要因は多岐にわたり、重量で販売される商品は水分蒸発により減量するほか、セルフレジでのミスも発生する。さらに、棚に残った食品の正確なカウントも難しい。
データとAIモデルが在庫最適化を実現
Afreshのソフトウェアは、各店舗の膨大な取引データ(場合によっては数千億件)を分析し、価格、プロモーション、出荷元、商品の鮮度などを考慮して在庫を最適化する。深層学習モデルは、食品券の支給時期や天候などの要因から需要を予測し、最適な発注量を提案する。導入後は、20〜25%のロス削減効果が確認されている。
同社はまず、チェーン店の10〜20店舗でテスト導入を行い、同じ期間の他店舗と比較する手法を採用。SafewayやAlbertsonsなどの大手スーパーでも導入が進んでいる。
ロス削減はサプライチェーン全体に波及
Afreshのシステムは、単に在庫管理を改善するだけでなく、ロス削減につながるさまざまな活用法を提供する。例えば、店舗の陳列スペースが大きすぎる場合には、サイズ変更やダミーディスプレイの導入を提案。また、傷みかけの果物や野菜を加工食品(例:アボカドのグアカモレへの活用)に転用することでロスを防ぐ。
「店舗の発注を最適化することで、流通センターも適切な量を仕入れやすくなる。結果として、サプライチェーン全体のロス削減につながる」とSchwartz氏は述べる。
Afreshは最近、店舗のデリで販売される調理済み食品の需要予測を支援する新ツールもリリースした。これにより、さらなるロス削減が期待される。