米国の議員らが開催した合同公聴会で、サイバーセキュリティの専門家らは、AI技術を悪用した暗号詐欺やサイバー攻撃が急増していると警告した。犯罪者はAIを使ってより説得力のあるメールやディープフェイクを作成し、被害者をだます手口が広がっているという。
AIによる詐欺の手口拡大
ハルシオン・ランサムウェア研究センターのシニアバイスプレジデント、シンシア・カイザー氏は公聴会で、「AIを使えば嘘をつくのが簡単になり、悪意のあるリンクを含む説得力のあるメールやディープフェイクを容易に作成できる」と述べた。また、TRM Labsのグローバル政策責任者、アリ・レッドボード氏は、過去1年間でAIを活用した詐欺活動が500%増加したと指摘した。
先月には、分散型金融(DeFi)プロトコルの脆弱性をAIで迅速に特定し、監査で見落とされたエラーを悪用する犯罪が増加していることも専門家らによって明らかにされた。
被害者の財務情報を悪用
セキュリティ・テクノロジー研究所の最高戦略責任者、メーガン・スティーフェル氏は、「犯罪者はAIを使って被害者の財務情報を分析し、被害者が防衛策を講じてもそれに対応することで、支払いを強要している」と述べた。
チェイナリシスのサイバー脅威インテリジェンス責任者、ジャクリーン・バーンズ・コーヴェン氏は2月にも、AIソフトウェアを使って他者に成りすまし、詐欺的な投資を勧める犯罪が横行していると指摘した。
「脅威は計り知れない」
カイザー氏は、「昨日まで攻撃できなかった人々が、今日AIを使って攻撃できるようになった」と述べ、セキュリティチームが攻撃者と同じ技術を活用しなければ対応が困難になると警告した。レッドボード氏もこれに同意し、米当局が犯罪者と同じ先進技術を採用する必要性を強調した。
法整備の必要性
カイザー氏は、サイバー犯罪の急増に対応するための法整備の必要性を訴えた。具体的には、テロ指定権限をランサムウェア犯罪者に適用する可能性について、国務省、司法省、財務省が既存の法律に基づいて評価を行うべきだと提案した。
「今日すぐに指定を求めているのではなく、既存の法律がその基準を満たすかどうか、真摯な法的分析が必要だ」と述べた。